荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ @ 国立新美術館


 

荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ
2024年10月30日(水)-12月16日(月)
国立新美術館 企画展示室2E
https://www.nact.jp/
開館時間:10:00–18:00(金・土は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:火
企画:米田尚輝(国立新美術館主任研究員)
展覧会URL:https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/eiarakawanash/index.html

 

国立新美術館では、さまざまなアーティストと共同作業を続け、「私」という主体を再定義しながら、アートの不確かさをグループ・パフォーマンスとして表現してきた荒川ナッシュ医の個展「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」を開催する。

コラボレーションをアート活動の基本とする荒川ナッシュは、2007年の開館以来、同美術館初のパフォーマンス・アーティストの個展となる本展において、可動壁により展示プランを自在に変えられるという黒川紀章建築の特徴を最大限に利用し、風通しのいい会場設計を実現。「生きた美術館」をテーマに、子供、絵画、歴史、音楽、身体、会話、そしてユーモアがアンバランスに作用しあう展覧会を通じて、絵画とパフォーマンスの近しい関係を探る。

本展で展開するコラボレーションは、誰もが自由に美術館の床に絵を描くことのできる《メガどうぞご自由にお描きください》、オスカー・ムリーリョの作品に絵を描くことのできる《オスカー・ムリーリョ:東京の⼈々へのテレグラム》などの観客参加型作品から、河原温が新生児や同性愛に言及した1964年の日本未公開ドローイング、日系アメリカ人の抽象画家として近年評価されつつあるミヨコ・イトウの絵画、ニコール・アイゼンマンが自身のふたりの子供を描いた肖像画、八重樫ゆいがベビーカーに直接描いた絵画など、彼に協力する多数の画家による絵画、約30分の作家による即興的な展覧会ツアー《作家によるペインティングス・アー・ポップスターズ展覧会ツアー》、松任谷由実&松任谷正隆、寺尾紗穂、ハトリ・ミホ、キム・ゴードンが本展のために、それぞれ美術作品に触発されて書き下ろした新曲によるインスタレーション、ロバート・ラウシェンバーグが1960 年に描いた4連作〈サマー・レンタル〉に基づいて荒川ナッシュが制作した4点のLED絵画のために、哲学者の千葉雅也が執筆した戯曲を声優の村瀬歩が演じるインスタレーション《サマーレンタル》、カリフォルニア州で卵子提供と代理出産を経て、2024年12月30日に生まれる予定の荒川ナッシュの双子の赤ちゃんの出産予定日を知らせる映像など多種多様。会期中に行なわれるさまざまなパフォーマンスは、美術館ウェブサイトのパフォーマンス・カレンダーにて随時更新される。

 


荒川医《メガどうぞご自由にお描きください》2021年、テート・モダン、ロンドン Photo: Rikard Österlund Courtesy of the artist and Tate Modern, London


荒川医《Cologne of the Maghreb (Bodyphilia Song)》2016年、ルートヴィヒ美術館、ケルン Photo: Mike Schlömer Courtesy of the artist and Museum Ludwig, Cologne

 

荒川ナッシュ医(1977年福島県生まれ)は、さまざまなアーティストとの共同作業によるパフォーマンスや観客を即興的に巻き込んだパフォーマンス、LEDスクリーンを用いたミュージカル形式のインスタレーションで知られる。1998年からニューヨーク、2019年よりロサンゼルスに居住するアメリカ合衆国国籍のクィア・パフォーマンス・アーティスト。近年の主な個展に「Don’t Give Up」(クンストハレ・フリアール・フリブール、2023)、「Mega Please Draw Freely」(テート・モダン タービンホール、ロンドン、2021)、「Social Muscle Rehab」(アーティスツ・スペース、ニューヨーク、2021)など。近年の主なグループ展に「CHAT 5th Anniversary – Factory of Tomorrow」(センター・フォー・ヘリテージ・アーツ&テキスタイル、香港、2024)、「Post-Capital: Art and the Economics of the Digital Age」(ジャン大公近代美術館、ルクセンブルク、2021)、ホノルル・ビエンナーレ(2019)、ミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ベルリン・ビエンナーレ(2016)、光州ビエンナーレ(2014)、ホイットニー・ビエンナーレ(ニューヨーク、2014)など。

本展で、荒川ナッシュ医が共にパフォーマンスを行なうアーティストは以下の通り(10月4日時点)。
荒川ナッシュ・フォレスト with 田中悠貴、ケルスティン・ブレチュ with 石川昇 & 石川隼人、ジョン・ケイル/トニー・コンラッド/テリー・ライリー、千葉雅也 with 村瀬歩、レイディ・チャーチマン、ブルース・コナー/マイルス・デイヴィス/ジェイ・デフェオ、マヤ・デレン & 伊藤貞司、ニコール・アイゼンマン、キム・ゴードン、はぴLIFEチャンネル、ハトリ・ミホ、セリア・ホランダー、カール・ホルムキュビスト、ミヨコ・イトウ、亀田晃輔、桂ゆき、河原温、ユタ・クータ、国吉康雄、丸木俊(赤松俊子)with 寺尾紗穂、アンリ・マティス with 松任谷由実 & 松任谷正隆、南川史門、森大志郎 with 森絃、オスカー・ムリーリョ with 龔楊飄飄/伊藤悠希/李思穎/欧静薇、ルイス・ニシザワ、シルケ・オットー=ナップ with 石川朝日 & 楊いくみ、ローラ・オーエンズ、ゲラ・パタシュリ、ダン・ポストン、セス・プライス、カルテットアルコ、斎藤玲児、トレバー・シミズ、白髪富士子、エイミー・シルマン with マリーナ・ローゼンフェルド、田中敦子、演劇集団LGBTI東京 with 小住優利子/差異等たかひ子/高橋茉由、富井玲子、フリーダ・トランゾ・イエーガー、ユナイテッド・ブラザーズ、八重樫ゆい、吉原治良、65歳以上の美術館ボランティア、ほか。

 


荒川医《WEWORK BABIES (11 Cortlandt Alley)》2019年、アーティスツ・スペース、ニューヨーク Photo: Paula Court Courtesy of the artist and Artists Space, New York


荒川医《Kissing The Canvas》2012年、テート・モダン、ロンドン Photo: Tate Modern Courtesy of the artist and Tate Modern, London

 

関連イベント(スケジュールは変更される場合あり。詳細、最新情報は美術館ウェブサイトのパフォーマンス・カレンダーを参照。カレンダー内の情報は随時更新。)
《メガどうぞご⾃由にお描きください》
会期中毎日曜開催(11/3、11/10、11/17、11/24、12/1、12/8、12/15)
10:00–18:00(11:30-12:00は作家も会場に登場 ※12/8は除く)

《作家によるペインティングス・アー・ポップスターズ展覧会ツアー》
専用スケジュールは、パフォーマンス・カレンダーを参照。

《オスカー・ムリーリョ:東京の⼈々へのテレグラム》
会期中毎日開催

《荒川ナッシュのエルズワース・ケリーの旗》
不定期開催

《ユタ・クータのマッド・ガーランド(怒りの 花綱飾り ) 》
2024年11月2日(土)18:30–19:00
2024年11月23日(土)14:30–15:00

《⽣演奏で、ネメシス・ペインティング(宿敵の絵画)》
2024年11月2日(土)19:30–19:30
2024年12月13日(金)17:00–17:30
2024年12月14日(土)17:00–17:30

《旅⽴つ秋イベント》
2024年11月16日(土)18:00–20:00

《LGBTQIA+ ベイビー・シャワー・イベント》
2024年11月30日(土)10:30–12:00

《富井玲⼦:『巻き込み型コミュニケーション』レクチャー・イベント》
2024年12月8日(日)15:00–16:30

《東京の美⼤→ロサンゼルスの美⼤イベント》
2024年12月14日(土)13:30–15:30

《最後の⽇曜⽇イベント》
2024年12月15日(日)16:30–17:30

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