工藤甲人《樹木のうた》1956年 平塚市美術館蔵
おしゃべり美術館 ひらビあーつま~れ10年記念展
2024年9月21日(土)-2025年2月16日(日)
平塚市美術館 展示室2
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/index.html
開館時間:9:30–17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし9/23、10/14、11/4、1/13は開館)、9/24、10/15、11/5、年末年始(12/29~1/3)、1/14
展覧会担当:江口恒明(平塚市美術館学芸員)、浅野泰恵子(平塚市美術館会計年度任用職員)
展覧会URL:https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00042.html
平塚市美術館は2015年に「対話による美術鑑賞事業」をスタートさせ、地域の市民からなる「ひらビあーつま~れ」のメンバーとともに対話型の作品鑑賞をする活動を続けてきた。事業10年目をむかえる今年、鑑賞会などを通じて対話型鑑賞そのものを紹介し、これまでの活動を振り返る「おしゃべり美術館 ひらビあーつま~れ10年記念展」を開催する。
伊藤彬《青幻記》1976年 平塚市美術館蔵
原良介《on the bank》2008年 作家蔵
「対話による美術鑑賞」とは、作品のことをよく知る誰かから説明を受けるのではなく、少人数のグループでじっくりと作品を見て対話を通じて鑑賞することで、それぞれの人が解釈を構成し、他者と一緒に目の前の作品の核心とその魅力に迫っていく鑑賞方法。1980年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で研究・開発されたVTS(Visual Thinking Strategies)が始まりとされ、現在では世界各国に広まり、美術館での作品鑑賞や学校の美術の授業などに取り入れられている。この方法を用いると、見慣れた絵でも新しい発見をともなったり、鑑賞の途中に解釈を更新することが起こり得る。結果として、イメージそのものや表現のもつ力を再認識するとともに、鑑賞といういとなみが一個人で完結せず、社会に開かれていることにも気付かされる。
平塚市美術館では、20~70代の男女約80名からなるボランティアチーム「ひらビあーつま~れ」が中心となり、市内の小中学生を対象とした対話型美術鑑賞の授業や、一般の来館者向けの鑑賞会を実施してきた。ひらビあーつま~れの「ひらビ」は同館の愛称でもあり、「ひらかれた美術館」「心をひらいて対話をしよう」というメッセージが込められている。また「あーつま~れ」は「ARTS(アート:美術)」と「MARE(マーレ:海)」と「集まる」という3つの意味から名付けられた。
大沢昌助《スタートライン》1964年 平塚市美術館蔵
石井礼子《私の周囲 テレビを見よう》2007年 平塚市美術館寄託
本展は、対話型鑑賞を続けてきた「ひらビあーつま~れ」の活動を紹介するため、事業の中で用いてきた所蔵作品を中心に約30点を選び、対話のきっかけとなるよう「ものがたる絵」「人間くさいもの」「心が動くかたち」「絵巻のようなもの」「そこにある気配」という5つのテーマに分け構成される。また、平塚市内の小学生と地域の人々に支えられた活動であることから、他館所蔵で湘南地域にゆかりの作品や対話を促す作品も紹介。工藤甲人、伊藤彬、原良介、三岸好太郎、石井礼子、大沢昌助などの作品を展示する。なお、本展の趣旨に鑑み展示室内は「おしゃべりOK」とし、作品に関して自由に話すことができる。
会期中にはシンポジウムを開催し、日本体育大学特別研究員の奥村高明を講師に迎えた講演会や、対話による美術鑑賞事業に関わりのある学校関係者、ボランティア、作家などによる対談を実施。また、普段は小中学生を対象に活動している「ひらビあーつま~れ」のメンバーがファシリテーターとなって、グループで話しながら作品を見る鑑賞会が予定されている。
三岸好太郎《旅愁》1934年 平塚市美術館寄託(国際興業コレクション)
関連イベント
シンポジウム「子どもの目の美術鑑賞―地域の美術館と学校でうまれる学び」
2024年11月30日(土)13:00–15:30
1. 基調講演「共同性と縁起が生み出す創造性」
講師:奥村高明(日本体育大学特別研究員)
2. 対談「学校教育と美術館の連携」
登壇:対話による美術鑑賞事業に関わりのある学校関係者、ボランティア、作家など
会場:平塚市美術館 ミュージアムホール
※申込不要、先着順
鑑賞会「おしゃべり美術館にあーつま~れ」
2024年10月5日(土)、11月30日(土)、12月21日(土)、2025年1月18日(土)
各日11:00–、14:00– 各回40分程度
※ただし11月30日(土)は11:00–の回のみ実施
講師:ひらビあーつま~れ、平塚市美術館学芸員
会場:平塚市美術館 展示室2
対象:3才〜一般
定員:各回25名
参加費:無料(高校生以上要観覧券)
申込期間:2024年9月18日~2025年1月15日
申込方法詳細:https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00375.html
同時開催
大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展
2024年10月5日(土)-11月24日(日)
平塚市美術館 展示室1
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00041.html
中勘助 平塚居住100年記念 中勘助の小宇宙―「銀の匙」と「しづかな流」
2024年10月5日(土)-11月10日(日)
平塚市美術館 テーマホール、エントランスホール
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00043.html
古井彩夏展 熱を与えた鉄とステンレス
2024年12月7日(土)-2025年4月6日(日)
平塚市美術館 テーマホール
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00044.html