野村佐紀子 写真展「海」@ 下関市立美術館


野村佐紀子『nude/ a room/ flowers』2012年 ©️Sakiko Nomura

 

野村佐紀子 写真展「海」
2022年2月11日(金・祝)- 3月27日(日)
下関市立美術館
http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/bijutsu/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、3/21は開館)
ゲストキュレーター:藤木洋介(Yosuke Fujiki Van Gogh Co., Ltd.)
展覧会URL:http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/bijutsu/2021/sn/index.html

 

下関市立美術館では、淡い光と深い闇の狭間にほのかに浮かび上がる男性の裸体をとらえた写真で知られる写真家、野村佐紀子の個展『海』を開催する。

野村佐紀子(1967年山口県生まれ)は、1990年に九州産業大学芸術学部写真学科を卒業し、翌年より荒木経惟に師事する。1990年代に初の写真集『裸の部屋』(1994)を自費出版し、平凡社から写真集『裸ノ時間』(1997)を出版するなど、在学中に撮りはじめた男性のヌードを中心とした写真で注目を集める。2013年には、長年モデルを務めた友人の遺影をはじめ、20年以上にわたり撮影した大量の写真をまとめた写真集『NUDE / A ROOM / FLOWERS』(マッチアンドカンパニー、2012)で、さがみはら写真新人奨励賞を受賞。2017年には、先行する写真集『黒闇 Black Darkness』(Akio Nagasawa Publishing、2008)を含む既存のイメージをソラリゼーションなどの手法で制作したシリーズ『もうひとつの黒闇 Another Black Darkness』(Akio Nagasawa Publishing、2016)で、写真の町東川賞新人作家賞を受賞。その後も約100人の男性たちのヌードを主軸とした写真集『愛について』(ASAMI OKADA PUBLISHING、2017)、祖母や友人たちへの追慕をまとめた写真集『春の運命』(Akio Nagasawa Publishing、2020)を出版するなど、キャリアを通じて30冊以上の写真集を発表している。

 


野村佐紀子『nude/ a room/ flowers』2012年 ©️Sakiko Nomura


野村佐紀子『春の運命』2020年 ©️Sakiko Nomura

 

故郷・下関での初の本格的な個展となる本展では、代名詞とも言える男性の裸体をとらえたシリーズはもちろん、近年取り組んでいる供花(お供え花、造花)の新作、下関で撮影している未発表作など、約150点を大小さまざまなプリントで発表する。本展タイトルの「海」は、下関市綾羅木で海の気配を感じながら育った野村の生い立ちに起因する。野村は、子供の頃に見た夕焼けから闇へと移りゆく海岸の風景を「美しいものが一番悲しい」「海は向こうの世界に繋がっているから怖い」と感じていたと語り、本展ではその記憶と野村の闇の表現との繋がりにも迫る。会期中には、アーティスト・トークや、本展と同時刊行の最新写真集『海 – 1967 2022 下関 東京』(リトルモア)に書き下ろしの小説を寄せた小説家の田中慎弥との対談、山口県立美術館副館長兼学芸課長の河野通孝による講演会「野村佐紀子の写真について」も開催される。

 


野村佐紀子《供花》2021年 ©️Sakiko Nomura

 

関連イベント
アーティスト・トーク
出演:野村佐紀子(写真家)、藤木洋介(本展ゲストキュレーター)
2022年2月11日(金・祝)13:30-(約1時間半)
会場:下関市立美術館 講堂
定員:30名(先着順・要事前申込 ※申込方法は公式ウェブサイトを参照)
無料(ただし、当日の特別展観覧受付が必要)

田中慎弥×野村佐紀子 対談イベント
出演:田中慎弥(小説家)、野村佐紀子(写真家)
2022年3月5日(土)18:00-(約1時間半)
会場:下関市立美術館 光庭
参加費:5,000円(特別展観覧と図録一冊を含む)
定員:40名(抽選・2月18日〔必着〕までに要申込 ※申込方法は公式ウェブサイトを参照)

講演会「野村佐紀子の写真について」
講師:河野通孝(山口県立美術館 副館長兼学芸課長)
2022年3月13日(日)13:30-(約1時間)
会場:下関市立美術館 講堂
定員:30名(先着順・要事前申込 ※申込方法は公式ウェブサイトを参照)
無料(ただし、当日の特別展観覧受付が必要)

 

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