豊嶋康子「前提としている領域とその領域外について」@ Maki Fine Arts


豊嶋康子《地動説_2020_1》2020年

 

豊嶋康子「前提としている領域とその領域外について」
2020年10月16日(金)- 11月15日(日)
Maki Fine Arts
http://www.makifinearts.com/
開館時間:12:00-19:00(日曜は12:00-17:00)
休館日:月、火

 

Maki Fine Artsでは、木製パネルの裏面に角材を幾何学的に組み込んだ「パネル」シリーズをはじめ、自律的な形態によるパターンを探究する豊嶋康子の個展『前提としている領域とその領域外について』を開催する。

豊嶋康子(1967年埼玉県生まれ)は、1990年代より日常生活を構成する制度や基準を問い直す作品を発表。2010年代に入り、現実的なプロセスから自律的な形態によるパターンに関心を移し、「パネル」(2013-)や、鑑賞者の意識を表面から裏側へずらし、合板上に複数の矩形を浮き彫りにした「四角形」(2017-)といった支持体と図の相対的な関係性を題材とした作品を展開している。2020年の夏に開かれた東京都現代美術館のコレクション展『MOTコレクション いまーかつて 複数のパースペクティブ』では、「パネル」シリーズのほか、展示ケース内に殺菌灯と色見本を配置し、本来、展示ケース内の作品を守るために使用される紫外線フィルターの使用目的を観客を守るものへと反転した《殺菌》(2006-)、20世紀前半の大日本帝国時代に「大東亜共栄圏」を訪れた日本の画家の渡航先と渡航理由を和紙に記述し、地図に貼り付けた《前例》(2015)が出品された。近年の主な展示に、『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』(国立新美術館、2019)、『百年の編み手たち ー流動する日本の近現代美術ー』(東京都現代美術館、2019)、『第9回恵比寿映像祭「マルチプルな未来」』(2017)、『資本空間 -スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.1 豊嶋康子』(gallery αM、2015)、『戦争画STUDIES』(東京都美術館、2015)などがあり、2014年には豊嶋が96年から継続的に個展を開催しているM画廊(栃木)より『TOYOSHIMA YASUKO : works 1990-2013』を刊行している。

本展では、円状の木材がダイヤル式に可動する、固定化した「かたち」のない、無数のパターンが存在する新作「地動説_2020」シリーズを中心に発表する。

 

地動説または天動説のような可動領域の原型をつくろうとしている。この領域は複数の層から構成され、その層を貫く軸があり、各層を恣意的に動かせる仕組みにしている。
豊嶋康子

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