福岡アジア美術館 開館20周年記念展『アジア美術、100年の旅』@ 福岡アジア美術館


 

福岡アジア美術館 開館20周年記念展
「アジア美術、100年の旅」
2019年10月5日(土)- 11月26日(火)
福岡アジア美術館 企画ギャラリー、アジアギャラリーほか
https://faam.city.fukuoka.lg.jp/
開館時間:9:30-18:00(金曜、土曜は20:00まで)入室は閉室30分前まで
休館日:水(水曜が休日の場合はその翌平日)

 

古くからアジアの交流拠点都市としての役割を果たしてきた福岡に、1999年にアジアの近現代美術を専門的に紹介する世界に唯一の美術館として開館した福岡アジア美術館。開館20周年を迎え、約3000点のコレクションのなかからアジアの地域性が色濃く表れている作品を中心に、アジア美術の100年間を辿るとともに、20年の歩みとその役割を振り返る展覧会『アジア美術、100年の旅』を開催する。

本展は、西洋美術の模倣でも、単なる伝統の繰り返しでもなく、変化しつづけるアジアに向き合う福岡アジア美術館の特徴が表れた二部構成となる。第一部は、「東アジア」「東南アジア」「南アジア」の重要な近現代美術に、ローカルな文脈で生まれた民俗芸術、路上で花咲いた大衆芸術などを加えた幅広い作品、約300点を紹介。地域別の紹介を通じて、各地域に共通する動向や影響関係、またその文化的な広がりを捉え直すものとなる。第二部では、アジアのアーティストが滞在制作事業によって福岡で制作した作品を紹介。展示を通じて、研究、調査対象として、アジアを一方的にまなざすのではなく、アーティストや研究者を招聘し、制作、研究、対話など、さまざまな交流拠点としての役割を担ってきた福岡アジア美術館の姿勢を振り返るものとなる。

 


モリ・キンセン(森錦泉)[インドネシア・日本]「スンビン山の眺め」1930年代か、福岡アジア美術館蔵


ナリニ・マラニ[インド]「ハムレットマシン」1999-2000年、福岡アジア美術館蔵

 

このような構成は、会期中11月3日に関連イベントとして開かれる所蔵作品上映イベント「アジアの映像セレクション-アジアの景色/福岡への旅」も共通する。同イベント第一部では、ザイ・クーニン、ウォン・ホイチョン、ホウ・ルル・シュウズ、ヤスミン・コビールの映像作品を紹介し、第二部「福岡への旅」では、福岡アジア美術館に滞在したアジアのアーティストの記録映像を学芸員による解説を交えて上映する。会期中にはそのほか、『縄文号とパクール号の航海』(水本博之監督)の上映および探検家の関野吉晴によるトーク、学芸員によるギャラリートーク、同館ボランティアによるイベントなどを開催。図書コーナーでは、「あじびをめぐる本の旅」と題して、同館発行の展覧会図録を公開するとともに、20年間の歩みを図録や新聞掲載記事につけられたボランティアのコメントとともに辿る。

 

関連イベント
オープニング・イベント「アジアを旅したグレートジャーニー」
2019年10月5日(土)
13:00-15:00|上映|『縄文号とパクール号の航海』(水本博之監督/122分)
15:15-17:15|トーク|ゲスト:関野吉晴(探検家)※ ドキュメンタリー映画『海のルート』(2011)を上映
会場:福岡アジア美術館 あじびホール
※ 予約不要、入場無料

所蔵作品上映イベント「アジアの映像セレクション-アジアの景色/福岡への旅」
2019年11月3日(日)
第一部「アジアの景色」|13:00-15:00
上映作品:ザイ・クーニン「リアウ諸島」、ウォン・ホイチョン「暗い穴」、ホウ・ルル・シュウズ「彼方を望んで:アジアから来た花嫁の歌(III)」、ヤスミン・コビール「葬儀」
第二部「福岡への旅」|15:15-17:15
※福岡アジア美術館に滞在したアジア作家の記録映像を学芸員による解説を交えて上映
会場:福岡アジア美術館 あじびホール
※ 予約不要、入場無料

学芸員によるギャラリートーク
2019年10月20日(日)、10月27日(日)、11月10日(日)、11月17日(日)
各日:14:00-14:30
会場:福岡アジア美術館 企画ギャラリー、アジアギャラリー(集合は7階チケットカウンター前)
※要展覧会チケット

その他の関連イベントは公式ウェブサイトを参照

 


ウ・ティエンチャン(呉天章)[台湾]「春宵夢IV」1997年、福岡アジア美術館蔵


ドゥリヤ・カージー、デイヴィッド・エルスワース、イフティハール・ダーディー、エリザベス・ダーディー[パキスタン]「ハート・マハル」1996年、福岡アジア美術館蔵

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