ハンス・ウルリッヒ・オブリスト公開講義「雲のように考える:コンテンポラリー・アートはどこへいくのか」


Hans Ulrich Obrist, Photo by Tyler Mitchell

 

「雲のように考える:コンテンポラリー・アートはどこへいくのか」
講師:ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(サーペンタイン・ギャラリー共同ディレクター)
モデレーター:長谷川祐子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)
2020年1月5日(日)15:00-17:00
会場:東京藝術大学上野キャンパス 音楽学部 5-109教室
定員:260名(要予約:https://obrist.peatix.com/
参加無料、日英逐次通訳あり

 

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科(GA)では、グローバル時代の芸術文化概論の一環として、2019年のニコラ・ブリオーに続き、2020年1月5日に実験的な形式の企画や幅広い分野の専門家への膨大な量のインタビューなどで国際的に活動するキュレーター/ライターのハンス・ウルリッヒ・オブリストを講師に招き、「雲のように考える:コンテンポラリー・アートはどこへいくのか」をテーマとした公開講義を開催する。

サーペンタイン・ギャラリー共同ディレクターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト(1968年チューリッヒ生まれ)は、ウィーンのミュージアム・イン・プログレス・ディレクター(1993-2000)、パリ市立近代美術館キュレーター(2000-2006)を歴任し、2006年から現職。10代の頃よりさまざまなアーティストやキュレーターとの対話をはじめ、1991年にザンクト・ガレンの自宅アパートで『World Soup(The Kitchen Show)』を企画。以来、アーティストによる指示書に従うことで作品制作を行なう『do it』(1993)や、観客が作品に触れ、その内容を変えたり、購入したり、交換したりと通常の美術鑑賞で禁止されている行為を取り入れた『Take Me (I’m Yours)』(1995)といった現在進行形にある展覧会に取り組んだ企画や、ウィーンを含む世界7都市を巡回しながら、各都市ごとにかたちを変えていった展覧会『Cities on the Move』(1997-1999)、科学者、アーティスト、市民をつなぐ学際的な試みを目指した展覧会『Laboratorium』(1999)、2005年のシュトゥットガルト世界演劇祭をきっかけに生まれ、サーペンタイン・ギャラリーでも継続された、長時間連続でインタビューを実施していく「Interview Marathon」、空間ではなく時間で各アーティストの発表を構成した『Il Tempo del Postino』(2007)、1989年以降に生まれた世代とともに展覧会や出版物、シンポジウムなどを展開した「89+」など、300以上の展覧会やプロジェクトにかかわってきた。

また、2011年にはニューヨークのバードカレッジのキュレトリアルスタディーズセンターが主催するオードリー・イルマス賞、2015年には美術の普及・支援に多大な貢献を果たした個人や団体に贈られる国際フォルクヴァンク賞を受賞。『The Infinite Conversations』(FoundationCartier pour l’art contemporain、2020)、『Somewhere Totally Else』(JRP|Ringier、2018)など、著書、共著、カタログや雑誌への寄稿も多数。日本語に訳された書籍に、『キュレーションの方法』(翻訳/中野勉、河出書房新社、2018)、『キュレーション 「現代アート」をつくったキュレーターたち』(翻訳/村上華子、フィルムアート社、2013)、『ミュージック 「現代音楽」をつくった作曲家たち』(翻訳/篠儀直子、内山史子、西原尚、フィルムアート社、2015)、共著『プロジェクト・ジャパン メタボリズムは語る…』(平凡社、2012)などがある。また、『Interviews Volume 1』(翻訳/前田岳究、山本陽子、ウォルター・ケーニッヒ、2010)もジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダのアーティストブックとして翻訳、出版されている。そのほか、カタログへの寄稿、ART iTでの侯瀚如(ホウ・ハンルウ)との往復書簡「Curators on the Move」、『inter-views 語られるアート、語られる世界』(杉田敦、美学出版、2011)などでもオブリストの活動を日本語で確認できる。

Copyrighted Image