αMプロジェクト2019


デザイン:松本弦人

 

武蔵野美術大学が運営するgallery αMは、2019年度のαMプロジェクトのゲストキュレーターに、東京都現代美術館学芸員の藪前知子を招聘し、「東京計画2019」のテーマの下に5つの個展を開催する。

藪前知子(1974年東京都生まれ)は、現在、東京都現代美術館でリニューアル・オープン企画として開かれている『百年の編み手たち:流動する日本の近現代美術』を関直子とともに共同で手がけているほか、これまでに『大竹伸朗 全景 1955-2006』(2006)、『MOTコレクション 特集展示 岡崎乾二郎』(2009)、『山口小夜子 未来を着る人』(2015)、『おとなもこどもも考える ここはだれの場所?』(2015)、『MOTサテライト 2017春 往来往来』(2017)などを同館で企画。同館外でも、『Omnilogue: Your Voice is Mine』(シンガポール国立大学美術館、2013)を企画、札幌国際芸術祭2017の企画チームに参加している。また、筑摩書房のwebちくまの連載「迷い線のあいだに」をはじめ、雑誌、ウェブ、新聞などへの寄稿も多数。若手作家を対象としたコンペの審査員も歴任している。αMプロジェクト2019では「東京計画2019」を掲げ、二度目のオリンピックの開幕が近づき、再開発が進み清潔に整えられ、画一化と均質化が進む東京における諸相を、5組のアーティストたちの実践を通じてギャラリーに転送し、そこに潜む問題に言及しつつ、単一の経験やシステム、アイデンティティからの脱却と、別の可能性の提示を試みる。(ステイトメント全文はこちら

同企画第1弾は、毒山凡太朗(1984年福島県生まれ)の個展。毒山は東日本大震災をきっかけに本格的に作品の制作をはじめ、以来、東京・霞ヶ関の経済産業省前に建てられたテントで発表した『経済産業省第四分館』や、ソウル市内の「平和の少女像(慰安婦像)」を扱った『Public archive』などを発表してきた。現在は森美術館で開催中の『六本木クロッシング2019展:つないでみる』に、台湾で合唱団に所属する高齢者たちに日本統治時代についてリサーチした「君之代-斉唱-」と、福島の被災者とのワークショップで制作した「あっち」を出品している。また、今夏に開幕を控えるあいちトリエンナーレ2019への参加も決定している。

また、馬喰町移転後10年が経過し、11年目を迎えるαMプロジェクトは、本年度よりアーティストで武蔵野美術大学教授の袴田京太朗をディレクターに据え、通常の企画展示と連動するかたちで、新企画「αM+」を立ち上げる。近年の柔軟なスタンスの新しいギャラリーの台頭、アートコレクティブと呼ばれるさまざまな形態の新しい動向を踏まえた本企画では、アートコレクティブ「国立奥多摩美術館」を招き、新しいαMプロジェクトの可能性、これからのギャラリーの在り方を探る。同企画は、「東京計画2019」の5つの個展に続き、2020年2月に開催予定。

 


©️ Bontaro DOKUYAMA

 

東京計画2019 vol.1 毒山凡太朗
2019年4月6日(土)-5月18日(土)
ギャラリーαM
http://gallery-alpham.com/
開廊時間:11:00-19:00
休館日:日、月、祝、4/28-5/6
アーティストトーク:4月6日(土)18:00-
オープニングパーティー:4月6日(土)19:00-

 

 


 

αMプロジェクト2019『東京計画2019』(企画:藪前知子)

vol.1|毒山凡太朗
2019年4月6日(土)-5月18日(土)※特別休廊:4/28-5/6

vol.2|風間サチコ
2019年6月1日(土)-7月13日(土)
vol.3|Urban Research Group
2019年7月27日(土)-9月14日(土)※夏季休廊:8/11-8/19
vol.4|ミルク倉庫+ココナッツ
2019年9月28日(土)-11月9日(土)
vol.5|中島晴矢
2019年11月30日(土)-2020年1月18日(土)※冬季休廊:12/26-1/6

αM+(アルファエムプラス)
国立奥多摩美術館
2020年2月1日(土)-3月14日(土)

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