ab-sence/ac-ceptance 不在の観測 @ 岐阜県美術館


 

ab-sence/ac-ceptance 不在の観測
2021年9月23日(木・祝)– 11月28日(日)
2021年10月1日(金)-11月28日(日) ※緊急事態宣言延長により会期変更。(9月10日更新)
岐阜県美術館 展示室2
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/
開館日時:10:00-18:00(10/15、11/19は20:00まで)
休館日:月(ただし、11/1は開館。祝日の場合は翌平日)、11/4、11/5
企画担当:鳥羽都子(岐阜県美術館学芸員)
出展作家:ミルク倉庫+ココナッツ、三枝愛、平野真美

 

岐阜県美術館では、姿をもたない存在や言語に回収されざる存在とのコネクトを試み、あるいは、認識の働きに潜む事象に目を凝らしてきた3組のアーティストを招聘し、「不在」を主なトピックとした展覧会『ab-sence/ac-ceptance 不在の観測』を開催する。

本展では、ミルク倉庫+ココナッツ、三枝愛、平野真美の3組のアーティストがそれぞれの作品を発表するとともに、荒木高子《黒いページのある聖書》(1986)、伊佐治勝太郎《午睡》(1937)、榎倉康二《予兆-海・肉体 (P.W.-No.40)》(1972)、野村仁《励起する真空》(1990)、松尾芭蕉《山かげや》(1688)など、岐阜県美術館の所蔵品に新たな解釈を付加し、別の時間軸に出現させるといった行為や思考を重ね合わせることで、私たちが「不在」と考えているものの根拠、概念を問い直していく。

ミルク倉庫+ココナッツは、2009年に結成したミルク倉庫を前身に2015年に結成したアーティストコレクティブ。現在は、宮崎直孝、松本直樹、篠崎英介、坂川弘太、西浜琢磨、田中丸善、瀧口博昭の7名が所属。メンバーそれぞれが建築系技術、電設技術、音楽、デザインなどの職能を有し、技術と芸術を線引きしない、中世のギルドのような実験性に富んだ制作を特徴に、もの、道具、身体、技術、時間等の潜在的な機能や関係へ思考を重ね、その独自の視点を作品を通して社会に提示している。2016年には3331 Art Fair 2016でシルバープライズを獲得し、同年に3331ギャラリーにて個展『家計簿は火の車』を開催。翌年は『清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017』で大賞を受賞。2019年には『タイムライン 時間に触れるためのいくつかの方法』(京都大学総合博物館)に参加、藪前知子がゲストキュレーターを務めたαMプロジェクト2019『東京計画2019』で個展を開催している。

 


ミルク倉庫+ココナッツ《scratch tonguetable》展示風景 2019年 撮影:森田兼次


ミルク倉庫+ココナッツ《scratch tonguetable》展示風景 2019年 撮影:森田兼次

 

三枝愛(1991年埼玉県生まれ)は、東日本大震災をきっかけにおきた庭の変化を起点に、ものを存続させることの意味を問いつつ、それにまつわる変化や状態に尊厳を見出し、さまざまな表現や行為に派生させる。近年は、文化財を扱う現場で用いられる技術を制作に反映させ、「事象」を残す手立てを探っている。これまでに、『群馬青年ビエンナーレ2017』、『A-Lab Artist Gate 2018 新鋭アーティスト発信プロジェクト』(あまらぶアートラボ)などに参加。2020年には京都のホホ座浄土寺店1階奥ギャラリーにて個展『木の日 – 树节』を開催。『鮭 SAKE』(アキバタマビ21、東京、2020)、『沈黙のカテゴリー』(Creative Center OSAKA、大阪、2021)などで作品を発表している。本展では、『清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017』で制作した展示室=CUBEの展示経験を引き継ぎつつ、岐阜県内でのレジデンスを経て、当時譲り受けた端材を拓本によって複製し、CUBEを実寸大で復元することを試みる。

 


三枝愛《庭のほつれ-木を立てる(岐阜)》2019年


三枝愛《庭のほつれ》2019年

 

平野真美(1989年岐阜県生まれ)は、瀕死の愛犬や実在しない空想上の生物などを、骨格、臓器、血管、皮膚、毛、眼球など身体を構成するあらゆる部位を人工的に再現することを通じて、蘇生・転生を探求している。その制作は、不在と死、保存と制作、認知と存在に関する思索を深め、いかにそれらと向き合うのかを問いかける。2017年に『清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017』に参加。2018年には岐阜県美術館のアーティスト・イン・ミュージアムのプログラムに参加し、同館リニューアルオープン後に『セカンド・フラッシュ』でも作品を発表している。また、3331 ART FAIR 2020でレコメンドアーティストに選出され、2021年には個展『変身物語 METAMORPHOSES』を3331 Galleryで開催している。

 


平野真美《変身物語 METAMORPHOSES #3 Pâte de verre》2021年


平野真美《変身物語 METAMORPHOSES #1 X-ray film》2021年

 

関連イベント ※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、延期・中止する場合あり
オープニング・クロストーク ※ YouTubeによるオンライン配信に変更(9月10日加筆)
出演:ミルク倉庫+ココナッツ、三枝愛、平野真美
2021年9月23日(木・祝)14:00–15:30
会場:岐阜県美術館 展示室2
定員:30人(先着順)
※要観覧券、当日受付


ミルク倉庫+ココナッツ×日比野克彦 クロストーク
出演:ミルク倉庫+ココナッツ、日比野克彦(岐阜県美術館館長)
2021年11月3日(水・祝)14:00–15:30
会場:岐阜県美術館 多目的ホール、展示室2
定員:30人(先着順)
※要観覧券、当日受付

レジデンス報告会
出演:三枝愛
2021年11月6日(土)14:00–15:30
会場:岐阜県美術館 多目的ホール
定員:50人
※無料、当日受付
※美濃市、岐阜市、中津川市でのリサーチ・滞在制作をレポート

平野真美×ナンヤローネアートツアー
講師:平野真美
2021年11月28日(日)14:00–15:30
会場:岐阜県美術館 展示室2
※要観覧券、事前申込制(詳細は公式ウェブサイトを参照)

夜間開館ギャラリートーク
解説:鳥羽都子(岐阜県美術館学芸員)
2021年10月15日(金)19:00–19:30
会場:岐阜県美術館 展示室2
定員:20人(先着順)
※要観覧券、当日受付

 

 


 

同時開催
ミレーから印象派への流れ
2021年9月13日(月)– 10月21日(木)
岐阜県美術館 展示室3
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/millet2021/
開館日時:10:00-18:00(9/17、10/15は20:00まで)
休館日:月(ただし、9/20は開館)、9/21

アーティスト・イン・ミュージアム AiM Vol.11 横山奈美
公開制作|2021年11月12日(金)– 12月11日(土)
作品展示|2021年12月21日(火)– 2022年1月23日(日)
岐阜県美術館 アトリエ
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/aim11/
開場日時:10:00-18:00(11/19、1/21は20:00まで)
休館日:月(ただし、9/20は開館)、9/21
※期間中、アーティスト不在の場合もあり

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