第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館


下道基行「津波石」2015年〜

 

2018年6月7日、国際交流基金は、来年開催の第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示に関する記者会見を開き、日本館キュレーターに、服部浩之を選出、服部の企画案により、出品作家は下道基行をはじめ、安野太郎(作曲家)、石倉敏明(人類学者、秋田公立美術大学准教授)、能作文徳(建築家、東京電機大学准教授)が参加。テーマは「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」。

下道基行(1978年岡山県生まれ)。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。2016年より、国立民族博物館の特別客員教員を務める。戦争や日本植民地時代の遺構の現状を調査した「戦争のかたち」や「torii」、また、あぜ道に掛かる溝に渡された木の板など、橋のような風景を捉えた「bridge」をはじめとする日常の中に見られるささやかな創造力に焦点をあてた作品など、写真や映像を中心にさまざまな表現形式で作品を発表。そのほか、作品集の出版やインターネット上で展開する「新しい骨董」といったグループでの活動も行なう。主な個展に、『下道基行展-風景に耳を澄ますこと』(黒部市美術館)、グループ展では、2012年には第9回光州ビエンナーレで新人賞を受賞。あいちトリエンナーレ2013、『六本木クロッシング2013:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために』(森美術館)、『他人の時間』(東京都現代美術館、国立国際美術館ほか、2015)、岡山芸術交流2016など、国内外で数多くの展覧会に参加している。

安野太郎(1979年東京都生まれ)。2002年、東京音楽大学作曲専攻卒。2004年、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。2008年-2010年、東京藝術大学音楽環境創造科教育研究助手。現在、日本大学芸術学部、東京造形大学非常勤講師。2014年「死の舞踏」(京都芸術センター)、2017年「『大霊廟II』-デッドパフォーマンス」(BankART)にて個展・ソロコンサートを開催。2015年「TOKYO STORY」(トーキョーワンダーサイト)、「ゾンビオペラ『死の舞踏』」(Festival/Tokyo15)、2016年「Our Masters 土方巽/異言」(Asia Culture Center, 韓国)、2017年「Radio Azja」(Teatr Powszechny,ポーランド)などグループ展・フェスティバルへ多数参加。2013年第7回JFC作曲賞第1位、2017年清流の国ぎふ芸術祭Art Award In the CUBE 2017 高橋源一郎賞、2018年KDCC2017奨励賞を受賞。

石倉敏明(1974年東京都生まれ)。2010年、中央大学総合政策研究科博士後期課程単位取得後退学。 2009年-2011年、多摩美術大学芸術人類学研究所助手。2011年より、明治大学野生の科学研究所研究員、2013年-2016年、秋田公立美術大学美術学部専任講師。2017年より、秋田公立美術大学美術学部准教授。 共著に、「野生めぐり 列島神話をめぐる12の旅」 田附勝写真(淡交社、2015)、「Lixicon 現代人類学」奥野克己共編(以文社、2018)など多数。

能作文徳(1982年富山県生まれ)。2012年、東京工業大学大学院建築学専攻博士課程修了(工学)。 2008年、Njiric+Architekti(クロアチア)。2010年より、能作文徳建築設計事務所。2012年-2018年、東京工業大学建築学系助教。2018年より、東京電機大学未来科学部建築学科准教授。 主な作品に、「高岡のゲストハウス」(2015)、「Bamboo Theater」(フィリピン、2017)、「西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー」(2017-)など多数。また、2013年 SDレビュー2013鹿島賞、2016年 第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示特別表彰、2017年 SDレビュー2017入選、など多数受賞。

服部浩之(1978年愛知県生まれ)。早稲田大学大学院修了(建築学)後、2009年から2016年まで青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]学芸員。アジアを中心に展覧会、リサーチ、プロジェクトなどを展開し、芸術と公共空間の関係を探求している。近年の企画に、『MEDIA/ART KITCHEN』(ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコク、青森、2013−2014)、あいちトリエンナーレ2016(愛知県美術館ほか、2016)、『ESCAPE form the SEA』(マレーシア国立美術館ほか、2017年)がある。

 


「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」展示の様子、作成:能作文徳建築設計事務所


「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」展示の様子、作成:能作文徳建築設計事務所


安野太郎「大霊廟I」岐阜県美術館、2017年、写真撮影:池田泰教


下道基行「新しい石器」2016年

 

採用された服部の企画案のほか、コンペティション参加者および企画案、審査における講評など指名コンペティションの実施結果は、国際交流基金ウェブサイト内に公開されている。コンペティション参加者名と企画案タイトルは以下の通り。(6月14日加筆)

 

コンペティション参加者企画案

荒木夏実(キュレーター、東京藝術大学美術学部/大学院准教授)
「タイトル未定」
アーティスト:目(荒神明香、南川憲二、増井宏文)

遠藤水城(東山アーティスツ・プレイスメント・サービス[HAPS]代表、Vincom Center for Contemporary Art[VCCA]芸術監督)
「翻訳者の使命 The Task of the Translator」
アーティスト:梅田哲也、亜欧堂田善、井上有一、法政大学出版局、雨宮庸介

金井直(信州大学人文学部教授)
「生命の展示に向かって verso le esposizioni vitali」
アーティスト:白川昌生

長谷川新(インディペンデント・キュレーター)
「血沸き、肉踊る Dancing Flesh,Tingling Blood」
アーティスト:眞島竜男

服部浩之(キュレーター、秋田公立美術大学大学院准教授)
「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」
アーティスト:下道基之、安野太郎、石倉敏明、能作文徳

林道郎(上智大学国際教養学部教授)
「Medium”as Site-generative and Transgressive Force: Art as World System (場を生成し越境する波動としての「メディウム」:世界システムとしての美術)」
アーティスト:岡﨑乾二郎+中谷芙二子

 

第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館http://www.jpf.go.jp/j/project/culture/exhibit/international/venezia-biennale/art/58/

 

第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ
2018年5月11日(土)-11月24日(日)
http://www.labiennale.org/
ディレクター:ラルフ・ルゴフ

 

 


 

過去5回のキュレーター、出品作家、テーマ

第57回(2017)|鷲田めるろ
岩崎貴宏「逆さにすれば、森

第56回(2015)|中野仁詞
塩田千春「掌の鍵

第55回(2013)|蔵屋美香
田中功起「抽象的に話すこと-不確かなものの共有とコレクティブ・アクト

第54回(2011)|植松由佳
束芋「てれこスープ」

第53回(2019)|南嶌宏
やなぎみわ「Windswept Women: 老少女劇団」

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