シンガポール・ビエンナーレ2019のアーティスティックディレクターに、パトリック・D・フローレスが就任


Image courtesy of Patrick Flores. Photo by Nana Buxani.

 

2018年5月2日、シンガポール・ビエンナーレ組織委員会は、シンガポール・ビエンナーレ2019のアーティスティックディレクターに、キュレーターで美術史家のパトリック・D・フローレスが就任すると発表した。また、ナショナル・アーツ・カウンシル・シンガポール[NAC]は、2011年からビエンナーレの主催を担ってきたシンガポール美術館[SAM]が、2019年、2022年のビエンナーレの主催を継続することを併せて発表した。

パトリック・D・フローレス(1969年マニラ生まれ)は、フィリピン大学美術学部で教授として教鞭を執る傍ら、同大学付属ヴァルガス美術館のキュレーターを兼任している。フィリピン大学大学院で美術史を修め、2000年にフィリピン学で博士号を取得。フィリピンにおけるコロニアル絵画の変遷や、東南アジア地域の現代美術のキュレーションのあり方など、フィリピンおよび東南アジア地域の近現代美術を研究している。これまでに国際交流基金が主催した『アンダー・コンストラクション:アジア美術の新世代』(2002)の共同キュレーションをはじめ、第7回光州ビエンナーレ(2008)や『グローバルな現代:1989年以降のアート・ワールド』(ZKM、2010-2011)の企画にも参加、2015年には約半世紀ぶりに参加した第56回ヴェネツィア・ビエンナーレのフィリピン館のキュレーションを手がけた。主な著書に『Painting History: Revisions in Philippine Colonial Art』(1999)、『Remarkable Collection: Art, History, and the National Museum』(2006)、『Past Peripheral: Curation in Southeast Asia』(2008)がある。

パトリック・D・フローレスは、経済とともに同地域の可能性に国際的な注目が高まるなかでの就任を絶好の機会と捉え、公共的な対話を通じて、ビエンナーレをより観客に開いたプラットフォームにしたいと抱負を語った。展覧会の構成やタイトル、会場などは2018年後半に発表される予定。

 

シンガポール・ビエンナーレhttp://www.singaporebiennale.org/

 

 


 

過去のキュレーターとテーマ

2016|スージー・リンガム(クレエイティブ・ディレクター)
「An Atlas of Mirrors」

2013|タン・ブン・フイ(グループ・ディレクター)、ほかキュレーター27名
「If The World Changed」

2011|マシュー・ヌイ(アーティスティック・ディレクター)
ラッセル・ストーラー、トレヴァー・スミス(キュレーター)
「Open House」

2008|南條史生(アーティスティック・ディレクター)
ホレリナ・クルス、マシュー・ヌイ(キュレーター)
「Wonder」

2006|南條史生(アーティスティック・ディレクター)
ロジャー・マクドナルド、ユージン・タン、シャルミニ・ペレイラ
「Belief」

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