オープニング・レセプション:2022年7月16日 (土) 午後5時 – 7時
Installation view of “Float Sink Float” at Take Ninagawa, Tokyo. © Aki Sasamoto, courtesy of Take Ninagawa, Tokyo, photo by Kei Okano.
この度、Take Ninagawaでは、笹本晃の個展を「浮き沈み浮き」と題し、7月16日 (土) より開催いたします。今展では、第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で展示中の「Sink or Float」と併せて、新作のインスタレーション作品をご紹介いたします。
愛知、釜山 (韓国)、岡山での国際芸術祭を控えて、画廊では5年ぶりの新作展となります。
初日には作家を囲んでオープニング・レセプションを午後5時より行います。
皆様ぜひお誘い合わせの上、ご参加くださいませ。
口寂しくなるとすぐに手が伸びてしまうから、チョコレートは目に見えないところにしまっておこう。そう思って食べかけの板チョコを隠していたら、忘れた頃にあちらこちらから銀色の四角い塊が出てくるようになってしまった。クシャクシャの銀紙にチョコの溝や模様が型押しされて、開けずとも味が想像できてしまう。知らないうちにアトリエにできてしまったこの食べかけコレクションをみんな集めて、そのまま石膏と砂で覆い、ロストワックス製法でアルミニウムを流し込んだ。自分のストレスと共に鋳造してみたら、何かが浄化した気がする。
業務用のシンクに細かい穴を等間隔に開けた板を組み込んで、風を引き入れてエアフロートテーブルにする。工業用のカッティングテーブルのように板が浮く構造を作ってみたら、モノが個性ある動きで踊り出した。渦巻く構造が故、カタツムリはクルクルと回り出す。しかし羽根をあしらった殻は、殻のみの他とは逆に回転し、まるで世間に迎合しない性格を現しているようだ。スポンジはお互いに惹かれあって、飛んだり跳ねたり、戯れている。しかし時にキャップに乗って急に一人旅に出る。それぞれの動き方の傾向はあるけれど、どこに行くのか、何とぶつかるのか、は予測不能。なんとなく方向性はあるけれど、人生におけるタイミングは掴み所が無い。そして出会い(衝突)は唐突だ。シンクの中の小世界がそう言っているような気がする。
笹本晃 (ささもとあき)
1980年神奈川県生まれ。現在ニューヨーク在住。10代で渡英、その後米国にて美術、ダンス、 彫刻等を学ぶ。個人の心理状況やパーソナリティーの表徴としての癖や習慣に興味を抱くようになり、以後、日常的な行為や手順をテーマにしたパ フォーマンス、彫刻、インスタレーションを発表している。ビジュアルアーティストやミュージシャン、振付師、科学者、学者等幅広い分野の人間とのコラボレーションも多数展開し、作品の中で笹本はダンサー、彫刻家、ディレクターとして様々な役割を演じる。現在イェール 大学の彫刻科で教鞭をとっている。
主な個展に「Yield Point」The Kitchen (ニューヨーク、2017);「Delicate Cycle」スカルプチャー・センター (ニューヨーク、 2016)など。
主なグループ展に「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」「あいち2022」「釜山ビエンナーレ2022」「岡山芸術交流」(2022); クンストハル美術館 (ロッテルダム、2021); UCCA Edge (上海、2021); Tai Kwun (香港、2018); 国立国際美術館 (大阪 、2018); レイキャビク美術館 (2017);「恵比寿映像祭」(2017);「コチ=ムジリス・ビエンナーレ」「上海ビエンナーレ」(2016);「堂島ビエンナーレ」「Parasophia: 京都国際現代芸術祭」(2015); High Line Art (ニューヨーク、2014); 森美術館 (東京、2013);「光州ビエンナーレ」(2012); MoMA PS1 (ニューヨーク、2010);「ホイットニー・ビエンナーレ」(ニューヨーク、2010);「横浜トリエンナーレ」(2008)など。
展覧会情報
笹本晃|浮き沈み浮き
会期:2022年7月16日 – 9月3日
開廊時間:午前11時 – 午後7時
休廊日:日,月,祝日
オープニング:2022年7月16日 (土) 午後5時 – 7時