列島各地が災害に見舞われた2018年。筆者はこの年最後の寄稿で、60年前の災害の記憶を今につなぐ、ある展覧会をめぐって論考する。
椹木野衣
椹木野衣 美術と時評 79:山のような「修復」への問いかけ−「山形ビエンナーレ2018」(後編)
ビエンナーレ内展「現代山形考 −修復は可能か? 地域・地方・日本−」をめぐる論考。高橋由一・源吉親子らと山形の関係から、日本美術史の「修復」可能性を考える。
椹木野衣 美術と時評 78:山のような「修復」への問いかけ−「山形ビエンナーレ2018」(前編)
「山形ビエンナーレ2018」にて三瀬夏之介と宮本晶朗が企画した「現代山形考 −修復は可能か? 地域・地方・日本−」。同展が問う「修復」の射程を論じる。
椹木野衣 美術と時評 77:国吉康雄と清水登之 渡米画家の「ふたつの道」(後編)
「国吉康雄と清水登之 ふたつの道」展を機に、両画家を見つめ直す論考後編。戦後も米国に留まった国吉の晩年の画業に、現代に通じる故郷喪失者の風景を見る。
椹木野衣 美術と時評 76:国吉康雄と清水登之 渡米画家の「ふたつの道」(前編)
いずれも渡米先で画家として成長し、しかし戦争をはさんで対照的な後半生を歩んだ二人。「国吉康雄と清水登之 ふたつの道」展を機に、彼らの画業を再考する。
椹木野衣 美術と時評 75:岡本太郎「生命の樹」の上昇・下降
連載目次 修復された岡本太郎「生命の樹」 写真提供:岡本太郎記念現代芸術振興財団 取材協力:大阪府日本万国博覧会記念公園事務所(以降「太陽の塔」内部写真すべて) 岡本太郎「太陽の塔」内部の一般公開が、今年の3月19日から始まった。さいわい私は4月7日に関係者と視察をView More >

椹木野衣 美術と時評 74:再説・「爆心地」の芸術(37)帰還困難区域の変容と「Don’t Follow the Wind」
連載目次 2016年に完成した、廃炉作業に従事する社員のための東京電力単身寮 (福島県 居住制限区域、2018年2月) 撮影:筆者(以降、特に記載がないものはすべて) 東日本大震災からちょうど4年の2015年3月15日に福島県の帰還困難区域内でスタートした(けれどもオープンはしてView More >

椹木野衣 美術と時評 73:マドハット・カケイの絵画と流浪・円環、そして偶然
連載目次 マドハット・カケイの作品(無題) 「マドハット・カケイ 個展」(阿久津画廊、前橋、2017年)での展示風景 撮影:筆者(以降すべて) Courtesy Madhat Kakei 知人の若い建築家の紹介で、ちょうどその時期に前橋で個展を開催中のクルド人画家がいることを知っView More >

椹木野衣 美術と時評 72:2017年回視 — 芸術祭の「品評」から離れて
連載目次 EVERYDAY HOLIDAY SQUAD「rode work」、2017年(「リボーン・アート・フェスティバル2017」より、SIDE COREが企画した「RODE WORK」での展示風景、宮城県石巻市魚町) 画像提供:SIDE CORE 撮影:後藤秀二 今年も前年View More >

椹木野衣 美術と時評 71:折元立身の転機 – アート・ママ亡き後の「午餐」と「処刑」をめぐって
連載目次 パフォーマンス「26人のパン人間の処刑」より(川崎市岡本太郎美術館、2017年) 撮影:筆者(以降全て) 今年もたくさんの国際美術展、国際芸術祭が日本国内、各地で開かれた。その総括は追って行うとして、今回、取り上げるのは広島県知事を名誉実行委員長とし、来年以降のさらなるView More >