
2015年10月3日、山口県山口市が取り組んでいる新山口駅ターミナルパーク整備の一環として開通したJR新山口駅の南北を結ぶ自由通路に、植物学者にしてアーティストのパトリック・ブランによる「垂直の庭」が設置された。
パトリック・ブランは1953年パリ生まれ。幼少期に水槽の環境条件を整えることからエコロジカル・システムについての考察をはじめ、「垂直庭園」のアイディアの実現のために試行錯誤を繰り返し、86年にパリの科学産業博物館で植物の壁を始めて発表する。94年のショウモン=スール=ロワールの美術館で開催された展覧会で発表した植物の壁が注目を集める。その後も国立科学研究所の植物学者としてのみならず、アーティストとして世界各地で200以上の垂直庭園プロジェクトを手がけている。現在開催中の第14回イスタンブール・ビエンナーレにも参加している。
今回は主に山口市内の山で採取した140種もの植物を、約2年かけて育成されたものをひと株ずつ植栽。独自設計された灌水システムのもと、全長約100メートルにおよぶ「垂直の庭」を実現している。

また、パトリック・ブランの「垂直の庭」は、イタリアのファッションブランド「CoSTUME NATIONAL」が福岡にオープンしたショップとバーを併設した複合施設にも新設された。同空間にはヴォルフガング・ティルマンスやダイアン・アーバス、宮島達男なども展示している。(CoSTUME NATIONAL Fukuoka Store:福岡県福岡市中央区大名1-3-33 CN福岡ビル1F)