アジア散歩 @ オオタファインアーツ


Kiri Dalena Red Saga (2004) single channel video, 16’00” © Kiri Dalena

アジア散歩
2015年6月27日(土)-8月8日(土)
オオタファインアーツ
http://www.otafinearts.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝

オオタファインアーツでは、2012年、2013年に続き、アジア出身のアーティストの作品を通じて近隣諸国の歴史を知り、現在を考察する企画『アジア散歩』を開催する。
出品作家は、シド・アタビエコフ、キリ・ダレナ、モニール・ファーマンファーマイアン、イ・イラン、ザイ・クーニン、見附正康、イ・スギョンの7名。

シド・アタビエコフは1965年ベス・テレック(ウズベキスタン)生まれ。現在はシムケント(カザフスタン)を拠点に制作活動を行なう。ペレストロイカ後のカザフスタン南部で結成した前衛美術集団「Kyzyl Traktor(赤いトラクター)」の創設メンバーのひとり。2005年には第51回ヴェネツィア・ビエンナーレに中央アジア館代表で参加している。

キリ・ダレナは1975年マニラ生まれ。人類生態学やドキュメンタリー映画を学び、主にフィリピンにおける社会政治的問題を扱う作品制作を行なう。また、人権擁護者としても社会政治的問題に積極的に取り組んでいる。現在、東京都現代美術館を皮切りに国立国際美術館を含む国内外の美術館を巡回する『他人の時間』に出品している。

モニール・ファーマンファーマイアンは1924年ガズヴィーン(イラン)生まれ。西洋モダニズムとイランの伝統工芸の特徴的な技法を結びつけた幾何学的抽象を特徴とする彫刻やドローイングで知られる。イラン革命によりニューヨークへの亡命を余儀なくされるが、2000年に帰国して制作活動を再開すると4度目のヴェネツィア・ビエンナーレへの参加をはじめ、再び国際的な活躍を見せている。


Yee I-Lan Wherein One Nods with Political Sympathy and Says I Understand You Better than You Understand Yourself, I’m Just Here to Help You Help Yourself (2013) giclee print, 63 x 63 cm © Yee I-Lan

イ・イランは1971年サバ(マレーシア)生まれ。文化的アイデンティティや歴史的記憶にまつわる事象を、綿密なリサーチを通じて視覚化した作品で知られる。アデレードとロンドンで美術を学び、近年は国際的な発表機会も増えている。

ザイ・クーニンは1964年シンガポール生まれ。既存の表現分野に囚われない横断的、即興的な表現活動に取り組む、東南アジア地域を代表するアーティストとして知られる。2005年には第3回福岡アジア美術トリエンナーレに参加、「リアウ」と呼ばれる諸島にかつて存在した「島の踊り」を復活させる活動を記録したドキュメンタリーを発表している。

見附正康は1975年石川県生まれ。石川県立九谷焼技術研修所を卒業後、福島武山に師事し九谷に伝わる赤絵の技術を取得。伝統的な技法を用いた現代的なデザインの作品で、2012年には金沢21世紀美術館で開催された『工芸未来派』にも出品している。

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