第15回芸術評論募集 入選作発表

2014年8月、『美術手帖』通巻1000号を記念した「第15回芸術評論募集」の入選作として、第一席にgnck(ジーエヌシーケイ)の「画像の問題系 演算性の美学」が選出された。また、次席には塚田優の「キャラクターを、見ている。」、佳作には井上幸治、勝俣涼、中尾拓哉の論考が選出された。

「芸術評論募集」は、株式会社美術出版社が1954年に次代の芸術評論を切り拓いていく新しい才能の開花を目指して創設した。5年振り15回目となる今回の公募には、69件の論考が寄せられ、谷川渥(美学者)、椹木野衣(美術評論家)、松井みどり(美術評論家)による厳正な選考が行なわれた。第一席のgnck、次席の塚田の論考、ならびに講評座談会の様子は9月17日発売の『美術手帖』10月号に掲載される。また、同誌ウェブサイトには佳作の井上、勝俣、中尾の論考を含む全5作が掲載される。

第一席を受賞したgnckの「画像の問題系 演算性の美学」は、デジタル画像の美的な特質を、ベクター、ビットマップ、ドット絵、ジャギー、グリッチ、インターフェイスなどの概念を通じて論じ、とりわけその美が演算処理に由来することを明らかにしようと試み、今日における「新しいメディウム」として、その可能性を追究している。
次席を受賞した塚田優の「キャラクターを、見ている。」は、タジオジブリのアニメーション映画『かぐや姫の物語』を通して、いわゆる「作画崩壊」といった問題に連なる、日本アニメのキャラクター主導的な風潮を批判的に取り扱いつつ、「キャラクターを逸脱していく」同作の特異性を紐解いていく。

なお、授賞式は9月22日に日本出版クラブ会館「きく」(東京都新宿区袋町6)で行なわれる。

『美術手帖』通巻1000号記念 第15回芸術評論募集 入選作発表:
http://www.bijutsu.co.jp/bt/GH15_kekka.html

Copyrighted Image