〈特別展〉日本の70年代


《日本万国博覧会 せんい館・外観と大看板》1970
写真撮影:遠藤正、写真提供:松本俊夫

デザイン、建築、演劇、美術、写真、音楽、漫画など多岐にわたるジャンルの作品・資料を通じて回顧する70年代

学生運動の激化や大阪万博の熱狂など、1968年から1970年初頭の日本は、熱い時代を迎えていました。同じ頃、デザイン、演劇、音楽などさまざまな分野の表現者が大胆に交流しながら、芸術を根源から問い直そうとする動きが起こります。そこでは表現することを疑い、原点を探るような試みが多く現れ、同時に、万博に反対する反博や権威と見なされた組織への反抗なども起こりました。また、デザイナーや写真家、書き手が一体となって作りあげた個性的で斬新な雑誌や書籍が多く現れました。さらに、女性誌やタウン誌などが創刊され、新しい時代の街の動きを敏感に捉えました。

時代の気分が大きく変化した70年代後半になると、原点から再出発するように絵画が復権します。また、若者文化を取り上げた雑誌が次々と創刊され、軽やかで日常的なイラストレーションが表紙を飾りました。今ではセゾン文化と呼ばれる、パルコや西武百貨店、西武美術館を中心としたデザインやポスターの華やかさが、この時代を彩りました。

本展覧会は、学生闘争で日本が揺れた60年代終わりから80年代初頭までの70年代を中心とした時代の精神を、美術、デザイン、建築、写真、演劇、音楽、漫画など、多岐にわたるジャンルの作品・資料によって回顧しようとするものです。

:::::: 展覧会の詳細は美術館ウェブサイトをご覧ください ::::::
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/70s/

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会期 2013年4月20日(土)~7月7日(日)
開館時間 10:00〜17:00 ※5月3日(金・祝)は19:00まで開館、入場は閉館の30分前まで
休館日 月曜日および4月30日(火)、5月7日(火) ※4月29日、5月6日は開館

関連プログラム

●特別鼎談
羽良多平吉氏(書容設計家、エディトリアル・デザイナー)、ばるぼら氏(ネットワーカー)、室賀清徳氏(デザイン誌『アイデア』編集長)による鼎談。言葉とヴィジュアルに向き合う三者が70年代以降に世界的な動向となった、雑誌創刊紀のグラフィックデザインや編集設計について語ります。
日時:2013年4月27日(土)14:00〜16:00
会場:ミュージアムスタジオ
定員:130名
※要展覧会チケット(半券可)、申込不要

●映画上映会
1968年に起こった連続射殺事件の犯人である永山則夫の足跡を追った映画、足立正生監督《略称・連続射殺魔》(1969年)を上映します(上映時間:86分)。
日時:2013年5月25日(土)14:00〜15:30
会場:ミュージアムスタジオ
※観覧無料、申込不要

●ワークショップ「派手!派手!コラージュをつくろう」
フランス語で「貼り付けること」を意味するコラージュ。雑誌や新聞を切り貼りし、70年代ポスター風コラージュに挑戦してみましょう。
日時:2013年5月5日(日・祝)、6日(月・休)開館時間中
会場:エントランスホール
※参加無料、申込不要

●ワークショップ「思いを伝えるコピー」
広告などに使われ、時には時代をあらわす言葉ともなるキャッチコピー。コピーライターの清水清春氏(電通西日本広島支社)を講師に迎え、短い言葉や印象に残る一言で相手に思いを伝えるコピーをつくってみます。
日時:2013年6月8日(土)14:00〜16:00
会場:ミュージアムスタジオ
対象:高校生以上
定員:20名
※参加無料、要事前申込

<申込方法>
往復はがきまたはeメールで、参加者全員の氏名、年齢、代表者の住所、電話番号を明記の上、下記宛先まで送付してください。5月27日(月)必着
*1通につき2名まで応募可
*応募者多数の場合は抽選となります
宛先:〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1
広島市現代美術館「コピーワークショップ」係
eメール:hcmca@hcmca.cf.city.hiroshima.jp

●学芸員によるギャラリー・トーク
担当学芸員が展示室を回りながら作品の解説をします。
日時:2013年4月29日(月・祝)、6月2日(日)いずれも14:00〜15:00
※要展覧会チケット、申込不要


粟津潔《黒川紀章の作品/美術出版社》ポスター 1970
金沢21世紀美術館蔵 画像提供:粟津デザイン室


『アンアン』創刊号(1970年3月20日号) アートディレクション:堀内誠一
表紙写真:立木義浩
©Seiichi Horiuchi


佐々木美智子《日大全共闘》
1968 作家蔵

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