〈レポート〉森村泰昌展・関連プログラム

会期残り1ヶ月!「森村泰昌展」

特別展「森村泰昌:なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」も会期残すところ1ヶ月をきりました。
本展では関連イベントのために森村さんに3度も来広していただき、その都度、趣向の異なるイベントを開催してきました。ここでは大好評に終わったバスツアーと記念対談をレポートします。

森村泰昌と行く 作品鑑賞ツアー(11月14日)

美術館での展覧会鑑賞からスタートし、広島市内に2店舗を構えるアパレルショップの店舗内に展示される巨大な森村作品を見学。もちろん森村さんの解説付きです。その合間に宮島対岸のフレンチレストランでランチも楽しむという、内容盛りだくさんのバスツアー。


美術館の正面で、森村さんを囲んで集合写真。


参加者同士の交流で盛り上がり、にぎやかなランチに。


おしゃれな洋服が並ぶ店舗には超巨大森村作品が。

アーティストが語る言葉を聞き、その人柄に触れるという現代美術の魅力の1つを、バスツアーという珍しい形で提供し、現代美術の多様な楽しみ方を参加者の皆さんにお届けできただけでなく、森村さんというアーティストを媒介に、美術館とアパレルショップという意外な両者がつながり、ショップの協力を得てイベントを実行することができました。

記念対談:20世紀を思考する 藤原帰一×森村泰昌(11月27日)

広島やホロコーストを「記憶」という観点から分析し、戦争観やナショナリズムを考察する著書でも知られ、政治学者として幅広い分野でご活躍の藤原帰一氏。
そして今回、過去に惨劇を経験した広島という土地で「20世紀」をテーマに展覧会を開催した森村さん。
政治と芸術という異なるフィールドで活躍するお2人が自らの体験を通して記憶している20世紀を語るという、大変貴重な対談を実現することができました。


詰めかけたお客さんで会場は熱気あふれる雰囲気に。

20世紀の「顔」と現代の「顔」の話題では、政治家などを例に比較、その顔つきだけでなく姿勢の違いやその要因についてそれぞれの考えを述べながら、森村作品の本質に迫るなど次々に興味深いお話が飛び出し、あっという間に終了時間に。
お客さんにとってもお2人にとっても、名残り惜しい退場となりました。

政治と芸術のコラボレーションという、これもまた現代美術そして森村泰昌展ならではの関連イベントとなりました。
今後も引き続き、現代美術や展覧会の楽しみ方・魅力をご紹介するさまざまな形の関連イベントを開催する予定です。どうぞお楽しみに。

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