〈レポート〉秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟

現在、好評開催中の「秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟」。
両作家の代表作だけでなく、今回のための新作、そして特別コラボレーション空間を楽しめる展覧会内容となっています。今回は、その展示風景をフォト・レポートにてお届けします。

秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟
2011年10月29日(土)~2012年1月9日(月・祝)
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/buriki/index.html

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展示室入口には謎のマネキンが…。マネキンに迎えられ入る第1室は、秋山祐徳太子による空間。これまでの代表的な「ブリキ彫刻」や「ブリキ絵画」、そして広島で滞在制作した新作までを一挙に楽しむことが出来ます。


秋山祐徳太子《安芸の佛》2011

続いて第2室は、しりあがり寿による作品《世界遺産を巡る、チクビまっ黒族と股のあたりキラッ旅の闘い》が展開しています。所狭しと書かれた世界遺産の上には、先ほどの謎のマネキンがグルグルと回転しています。

第3室は、両作家による共同空間「ブリキの方舟」。地鳴りのような音が響く暗闇には、秋山祐徳太子による「ブリキ彫刻」が静かに鎮座し、それらを囲むように、しりあがり寿による「ゆるめ〜しょん」と津波のアニメーションが交互に映し出されています。展覧会タイトルにもなっているこの空間では、東日本大震災を経て、この二人でこそ可能な鎮魂と救済の形が提示されています。


秋山祐徳太子《ブリキの方舟》2011

最後の部屋となる第4室では、両作家のこれまでの活動記録や作品が集約されています。秋山祐徳太子の自宅を模した空間では、家具や資料が混沌と積み重なり、また一方では、しりあがり寿の幼少期から現在に至るまでの歴史が、震災後の瓦礫のように打ち寄せられています。

展覧会は来年1月9日まで開催中。巡回の予定はありませんので、お見逃しなく!

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