<特別展示>青森EARTH2014

特別展示「青森EARTH2014」                 
第1部=追悼・豊島弘尚 彼方からの凝視
第2部=縄目の詩(うた)、石ノ柵

「青森EARTH」は、青森の大地に根ざした新たなART の可能性を探究していくプロジェクトで、2012 年からスタートして今年で3 回目の開催です。
縄文の遺物、青森県立美術館のコレクション、現代のアーティストたちの作品を組み合わせた展覧会などを通じて、青森の大地(earth)に根ざした新しいアート(art)を多角的に探ります。
通常の博物館や美術館の展示では見ることのできない、縄文の遺物と現代美術の作品の新しい見方を提案します。

会 期:平成2014年12月2日(火)-2015年3月22日(日)
休館日:12月8、22、29-31日、1月13-16、26日、2月9、23日、3月9日
開館時間:9:30-17:00(入場は16:30まで)
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/65/

【観覧料】
一般510円(410)円 / 高大生300(240)円 / 小中生100(80)円

※常設展と特別展示の両方をご覧いただけます
※( )内は20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料

【出展作家】
第1部=豊島弘尚
第2部=菅谷奈緒、松井茂+王子直紀+仲井朋子、松江泰治、村上善男、吉増剛造

【展覧会概要・みどころ】                          
青森の大地に根ざした新たなARTの可能性を探究していくプロジェクト「青森EARTH」。今年度は青森ゆかりの画家・豊島弘尚 (1933-2013) の追悼展と、青森の縄文を代表する遺構の一つ「環状列石 (ストーンサークル) 」を切り口に縄文と現代を往還する世界認識のあり方について問う展覧会の二部構成にて開催します。
身体の部分をモチーフにした触知的な作品から出発、北欧で目にした極光 (オーロラ) を「天と地の往復書簡」と表現し、土偶に自らのルーツを感じながら制作を行った豊島。そうした豊島の視点と、縄文人が環状列石に託した風景が交差する時。それは青森という土地が今までとは異なる広がりをもって、現在に立ち現れる瞬間です。そして環状列石は次代のアーティストの作品と共振することで、次の風景をひらくでしょう。人は石を立てることで風景を発見しました。人の「眼」を通じて、天と地の間の光の下にひらかれた風景はやがて様々な物語を生みます。物語は人の生と死を紡ぐ神話となり、天地へと還っていきます。
二部構成という、いわば「複眼」的な視座の下に行われる本展は、青森の大地に血肉の備わった地勢学的な視座を提供し得るかを問う試みとなります。それはこれからの人間・文明・自然観を養うことのできる機会となるでしょう。

■本展のみどころ
-縄文と現代の美術のコラボレーション
 青森の自然と縄文の世界観、そして現代の芸術表現。これらを解きほぐして展覧するために、青森の縄 文時代の遺跡から実際に出土した環状列石の一部、そして現代美術作家の作品を組み合わせて展覧します。通常の博物館や美術館の展示では見ることのできない、縄文の遺物と現代美術の作品の新しい見方を提案します。
-松江泰治《JP-02》《JP-05》シリーズの一挙公開
 松江泰治が青森、秋田の土地を題材に撮影した写真シリーズ《JP-02》、《JP-05》を展覧します。全ての作品を一度に展覧するのは初めての機会となります。
-豊島弘尚作品の新規収蔵分を含めた県美所蔵の作品を一挙公開
 2013年に亡くなった青森ゆかりの作家、豊島弘尚。作家の画業を、青森県立美術館の収蔵作品を中心に展覧します。

【展示構成】                             
青森の自然と縄文の世界観、現代の芸術表現とに通底する世界認識のあり方について問うため、第1部第2部あわせて3つのセクションで構成します。

■第1部=追悼・豊島弘尚 彼方からの凝視
画家・豊島弘尚の仕事について収蔵作品を中心に紹介。その際に残された作家の構想スケッチなども参照、イメージソースとなった実際の縄文の遺物などと組み合わせて展示を行うことで、北方の風景や極光 (オーロラ) に着想を得、青森や縄文の風土と深い関わりをもちながら制作を行った画家の仕事の軌跡を紹介します。

豊島弘尚 《複眼をもつ種子》 1997年 青森県立美術館蔵


豊島弘尚 《縄文の卵 ・Ⅱ》 1999年 青森県立美術館蔵

■第2部=縄目の詩(うた)、石ノ柵
1 石に詠む
自然のまま横倒しになった石を立て、構造物をつくる。そうした行為は人が「石」を通じて他者を認識し、形にしようとする表現の第一歩です。円環状の原初的な構造をもつ環状列石は表現の根幹に関わり続ける構造物といえるでしょう。
本章では三内丸山遺跡出土の環状列石の一部を、古代の感性に多大な関心を寄せる詩人・吉増剛造の詩と映像と組み合わせて展示することで、現代のアーティストが環状列石と出会い、縄文と現代の交差する様相を改めて浮かび上がらせることを試みます。

2 天地(あめつち)に詠む
環状列石は立てる行為と、立てられた場所への深い観察と配慮のもとに建てられます。
本章では、石に託された風景と現代のアーティストの作品を並置し、その結果としてひらかれる風景を展覧します。具体的には事象の「観察」から出発し、従来とは異なる見方を提示するアーティストの作品画コレクションと組み合わせて展示します。そうすることで従来とは少し位相の異なる青森という大地の地勢のあり方を浮かび上がらせることを試みたいと思います。


松江泰治 《JP-02 06》 2013年 個人蔵


松江泰治 《JP-02 15》 2013年 個人蔵

【関連企画】                               
■豊島重之+モレキュラーシアター舞台芸術公演
 豊島重之+モレキュラーシアターによる舞台芸術公演を開催します。
 詳細が決まりしだいホームページでお知らせします。
 日時:2015年3月8日(日)
 会場:青森県立美術館シアター
 料金:無料

■県美土曜ゼミ「青森EARTH2014」
 日 時:2015年1月10日(土)13:30-15:00
 会 場:青森県立美術館 ワークショップA
 参加料:無料 ※ただし要観覧券
 申 込:不要です。当日直接会場にお越しください。

■担当学芸員によるギャラリートーク
 日 時:12月6日、20日 2015年1月17、31日 2月7、21日 3月7、21日いずれも土曜日
 各日14:00から30分程度
 ※時間までに企画展示室入口にお集まりください。
 ※要観覧券。

【お問い合わせ】
青森県立美術館
〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel:017-783-3000

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