Your Bright Future: 12 Contemporary Artists from Korea

6.28 – 9.20
ロスアンジェルス・カウンティ・ミュージアム・オブ・アート
http://www.lacma.org/

11.22 – 2.14
ヒューストン美術館
http://www.mfah.org

米国ではほぼ20年ぶりと謳った大規模な韓国現代美術展。1950年代後半から70年代初めに生まれた作家を取り上げる。90年代以降、韓国の現代美術を作り直して、流動する世界の文化的・言説的な舞台へと進出させた、進取的な2世代を代表する作家たちだ。中でも年長のふたりは、この重要な集合的実験をつとに体現していた。故バク・イソ(1957〜2004)は、80年代をニューヨークで過ごした後、韓国に戻ってポストモダニズムと多文化主義を紹介しつつ、皮肉な機知という独特な美学に磨きをかけた。同じころにキムスーじゃは、放浪のパフォーマンスとビデオで、現代美術におけるノマディズムとグローバリズムの概念に取り組む主要な実作者のひとりとして、世界的に知られるようになった。

実際、参加作家の3分の2以上が海外で学んでおり、約3分の1はいまでも、一時的にしろ海外を拠点に制作している。多くはアジア、西欧、米国のビエンナーレや展覧会の常連で、特にチェ・ジョンファ、クー・ジョンア、スゥ・ドーホー、今年のヴェネツィア・ビエンナーレの韓国館を代表するヤン・ヘギュは国際的にもよく知られている。

本展は各作家に十分なスペースを保証しており、大規模なインスタレーションや相当数の作品群を展示する予定。これは朗報だ。この手の「国別展」は単純化しすぎたテーマの犠牲となるきらいがあるからだ。運営しやすい作家数であっても、作家たちの多様な実践を理解するのは難しい。確かにほとんどの作家がなんらかの形で韓国らしさを表現している。だがいかなる国民性、文化的、民族的アイデンティティについても同様だが、このようなコンセプトを企画展で扱うには慎重を要する。本展は、ふたつの主催美術館の組織的、地域的な理由に動機付けられているようだ。ロスアンジェルスは世界一韓国移民の多い都市であり、両館は韓国の伝統美術の膨大なコレクションを有する。したがって、いや、しかしながらと言うべきか、本展で重要なのは、韓国の現代美術が、集合的でありながら極めて個人的な、知的かつ芸術的営みから成っていることを立証し、「韓国」や「韓国らしさ」の、不可欠とされた民族主義的な定義を揺るがすことであるだろう。(ドリョン・チョン)

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