2010年記憶に残るもの ジンサン・ユ

キム・ビョン
2010年5月15日-8月1日
アートソンジェ・センター、ソウル


Installation view of Objects Being Taught They are Nothing but Tools (2010) at Artsonje Center, Seoul, 2010. Photo Myoung-Rae Park, courtesy the artist and Artsonje Center, Seoul.
キム・ビョンは現在韓国でもっとも重要なアーティストのひとりである。この個展では資本主義、文学の現状、そして人々が世界を認識する方法について評するインスタレーションが特徴的であった。学者が石に鳥や詩について教えていたり、工業製品に資本主義の歴史におけるアイデンティティについて教えるシリーズに見られるように非常に叙情的であると同時にユーモラスな作品である。

Details: Kim Beom at Artsonje Center, Seoul, May 15 to August 1.
http://www.artsonje.org/asc/eng/e_exhi/e_2010/10.may.kim.beom.htm

スペース・ハミルトンと「19のパフォーマンスリレー」

米軍基地近くの商業エリアとして有名なソウルの梨泰院エリアにあるオルタナティブアートスペースである、スペース・ハミルトンは、ウェブプロジェクトのpodopodo.netによって運営されていたが、1年間という短い期間のオープンであり、この12月をもってその活動に終止符を打つ。
このプロジェクトの名前はこのエリアの中心にある有名なホテルの名前からとっていた。ハミルトンによる最後のパフォーマンスプログラムは、「19のパフォーマンスリレー」というタイトルで、それぞれ19分以下と制限されたパフォーマンス作品で構成されていた。アーティスト、ダンサー、キュレーターそして学生もこの一夜限りのパフォーマンスに参加していた。

http://www.podopodo.net

Details: “19 Performance Relay” at Space Hamilton, Seoul, November 30.
http://podopodo.net/hamilton/detail.asp?seq=34

フェスティバル Bo:m 2010


Jérôme Bel – Performance still of Lutz Förster in Lutz Förster (2009).
Photo Anna van Kooij.

1年に一度行われるフェスティバルBo:mはコンテンポラリーダンスのキュレーター、キム・ソンヒーによって運営され、2000年のスタート以降、ソウルの観客に世界でも、最もアヴァンギャルドなパフォーマンスを紹介しつづけている。今年のプログラムはソウルの様々な場所でコラボレーションが行われるなど現代美術の文脈におけるパフォーマンスに対する興味が戻ってきたことを反映していた。

Details: Festival Bo:m 2010, multiple venues in Seoul, March 27 to May 4.
http://www.festivalbom.org/Home/2010/Main.aspx

台北ビエンナーレ
2010年9月7日–11月14日
台北市立美術館


Mario Garcia Torres – Gallery detail of What Happens in Halifax Stays in Halifax (In 36 Slides) (2004-06), part of the installation “Who Killed Robert’s Secret? A Class Portrait” (2004-10) at Taipei Fine Arts Museum, 2010. Courtesy Taipei Fine Arts Museum.
今年の台北ビエンナーレ(TB10) のキュレーターであった、ホンジョン・リンとティルダード・ゾガダーのふたりは明らかに従来型の国際的な美術祭典とは一線を画したものを提供しようと務めていた。彼らが2年前に行ったことを新たな文脈で再評価し再生するために、2008年の台北ビエンナーレに参加したアーティストのうち一部を招待する一方で、他の参加者は2012年に再度招待されることになっている。明快なテーマがないが、この小さいながらも革新的なビエンナーレプロジェクトを理解するためのキーワードとして「継続性」と「熟考」のふたつをあげたい。

Details: Taipei Biennial 2010, Taipei Fine Arts Museum, September 7 to November 14.
http://www.taipeibiennial.org/web_TB_2010/en/index.html

坂茂の設計によるポンピドゥー・センター、メッツ


Night view of Centre Pompidou-Metz, March 2010
パリから300キロはなれたアルザス地方のメッツ市にこの5月、坂茂の設計による、白い竹の傘を思わせる建物のポンピドゥー・センターの分館がオープンした。
複雑な内部、3階の壮大な身廊における鏡の天井、そして街の大聖堂の眺めも、この建物の魅力に花を添える。開館記念展覧会は、『Masterpieces?(名作?)』と題され、まずヨーロッパ、そして世界のその他の地域でどのように名作という考え方が歴史的に形成されたかについて考察する展覧会であった。また、フランスにおける現代美術館建築の「グランド・プロジェクト」についての展覧会も行われていた。個人的には2階にあるレストランが広がる風景を一望できる窓がついており気に入った。遅かれ早かれ、この周辺はこの自然の眺望を閉め出し、新たな居住用の建築で埋め尽くされるであろう、と噂されている。

Details: “Masterpieces?” at Centre Pompidou-Metz, May 12, 2010, to January 17, 2011.
http://www.centrepompidou-metz.fr/site/?-a-unique-exhibition-

image credit: Night view of Centre Pompidou-Metz, March 2010. Photo Roland Halbe, ©Shigeru Ban Architects Europe and Jean de Gastines Architectes, with Philip Gumuchdjian Architects / Metz Métropole / Centre Pompidou-Metz

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