アリン・ルンジャーン「モンクット」@ 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA


アリン・ルンジャーン「モンクット」(部分)2015年、メゾン・ダール・ベルナール・アントニ オーズ(パリ)での展示風景 © Photographie Romain Darnaud, Jeu de Paume

アリン・ルンジャーン「モンクット」
2017年10月28日(土)-11月26日(日)
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
http://gallery.kcua.ac.jp/
開館時間:11:00-19:00
休館日:月

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、自国タイの歴史を史実だけでなく、噂や伝聞を交えながら考察し、構築した物語を映像インスタレーションの形式で発表しているアーティスト、アリン・ルンジャーンの日本初個展『モンクット』を開催する。

アリン・ルンジャーン(1975年バンコク生まれ)は、記憶や生活空間、家族や個人、移民たちの歴史といった日常的な問題や経験に関心を持ち、慣習化された公/私の境界の解体を試みている。政治的にも文化的にも複雑なタイの歴史と、私的な経験に基づいた作品は国際的に高い評価を得ている。2013年にはワシンブリー・スパーニットウォラパートとともに第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ・タイ館代表に選出され、「Golden Teardrop」(2013)を出品。同作は2015年のPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015(そのほか、「骨、本、光、蛍」も出品)、『サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで』(森美術館、国立新美術館、2017)にも出品。そのほか、数々の国際展に参加、ドクメンタ14(2017)にも招聘され、アテネではベナキ美術館、カッセルではノイエ・ノイエ・ギャラリーで作品を発表した。

本展では、「モンクット王」として知られるラーマ4世が2度に渡り自らが受け継いだ王冠を複製し、二つ目のレプリカを1861年にフランスに渡った大使を通してナポレオン3世に贈ったという、歴史上の知られざる出来事が出発点となった「モンクット」に新たな要素を加え、初めてフランス国外で展示する。モンクットはタイ語で「王冠」を意味し、同作は1782年に作られたタイ王国の正式な王冠の1861年のレプリカを元に、ラーマ4世の子孫にあたる職人の手により新しいレプリカをさらに複製し、同職人も登場する映像などとともに展示する複合的なインスタレーション作品。2015年にメゾン・ダール・ベルナール・アントニオーズ(主催:ジュ・ド・ポーム国立美術館)の個展で発表され、ドクメンタ14への招聘のきっかけにもなった。会期初日には、ルンジャーンによるギャラリートークを開催する。

関連イベント
アリン・ルンジャーンによるギャラリートーク
2017年10月28日(土)14:00-
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
無料、申込不要
※タイ語、日本語通訳あり

ART iT Archive
アリン・ルンジャン「ゴールデン・ティアドロップ:デザートの歴史と世界をつなぐ」(2013年6月)

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