京都賞にウィリアム・ケントリッジ


William Kentridge. ⓒ William Kentridge, courtesy the National Museum of Modern Art, Kyoto.

 2010年6月18日、稲盛財団は第26回京都賞を発表し、思想・芸術部門でウィリアム・ケントリッジが受賞した。先端技術部門の山中伸弥、基礎科学部門のラースロー・ロヴァースとケントリッジの3名にはそれぞれ賞金として5000万円が贈られる。京都賞は京セラの創立者稲盛和夫が理事長を務める稲盛財団が1985年に創設したもので、国籍、人種、性別、年齢、信条など問わず、科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績を讃える国際賞である。(稲盛財団HPより)芸術部門ではこれまでにイサム・ノグチ、ナムジュン・パイク、安藤忠雄、三宅一生、黒澤明、吉田玉男、ピナ・バウシュ、ピエール・ブーレーズ、ジョン・ケージ、ユルゲン・ハバーマスなど。

 ウィリアム・ケントリッジは「素描とアニメーション等を融合させた新しい表現メディアを創出し、独自の世界を切り拓いた芸術家」 として受賞。ドクメンタ(1997年、2002年)ヴェネツィア・ビエンナーレ(1999年)など多数の国際展への参加の他、ニューヨーク近代美術館(MoMA)などでの個展も多数。日本では2009年に京都国立近代美術館で個展『ウィリアム・ケントリッジ——歩きながら歴史を考える』(東京国立近代美術館、広島市現代美術館に巡回)を開催、長編映像作品にもかかわらず多くの観客がマルチスクリーンの前でその手法と物語に見入った。
 ケントリッジの作品は京都国立近代美術館に収蔵されている。(文中敬称略)

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