第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展開幕、日本館金獅子賞受賞

2012年8月29日、第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展が開幕した。
今回ディレクターを務めるデイヴィッド・チッパーフィールドは総合テーマに「コモン・グラウンド」を掲げる。都市は建築家の専門領域でありながら、市民との共同によって作られ、建設の過程においてもたくさんの利害関係者や参加者が存在する。コモン・グラウンドとは、そのような各々の立ち位置の差異において、共有される考えを追求する場所となる。同テーマのもと選出された出品作家には、ピーター・ズントー、ジャン・ヌーベル、ヘルツォーク&ド・ムーロン、ヴァレリオ・オルジャティ、SANAA、ザハ・ハディドら建築家のほか、トーマス・デマンド、オラファー・エリアソン、フィッシュリ&ヴァイス、アイ・ウェイウェイ、トーマス・シュトルートも名を連ねている。
また、55の国や地域が参加する国別パヴィリオン部門にアンゴラ、コソボ、クウェート、ペルーが初めて参加し、アルゼンチンは初めて自国のパヴィリオンにて展示を行なう。

ビエンナーレ開幕とともに本年度の各賞が発表された。国別参加部門における金獅子賞は日本館の展示「ここに、建築は、可能か」が受賞した。日本館はコミッショナーの伊東豊雄のもと、建築家の乾久美子、藤本壮介、平田晃久と写真家の畠山直哉が参加し、東日本大震災で被害を受けた陸前高田に建設された、被災者などが集まれる集会場「みんなの家」を巡るドキュメントを展示し、震災後の建築の可能性を探る内容となっている。日本館の同賞受賞は1996年の第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展以来、2回目の快挙となる。
企画展示部門の金獅子賞は、Urban-Think Tank(アルフレッド・ブリレンボーグ、ヒューバート・クランプナー)、ジャスティン・マガーク、イワン・バーンによる「Torre David / Gran Horizonte」(2012年)が受賞し、銀獅子賞にGrafton Architects(イヴォンヌ・ファレル+シェリー・マクナマラ)、特別表彰にポーランド館、アメリカ館、ロシア館、チノ・ズッキが選出された。

第13回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展
2012年8月29日(水)–11月25日(日)
ジャルディーニ、アルセナーレ、ほか
http://www.labiennale.org/

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