第26回倫雅美術奨励賞

2014年11月、優れた新鋭の美術評論家、美術史研究家の活動に対して顕彰を行なう倫雅美術奨励賞に、国書刊行会から『近代日本彫刻集成 昭和前期編 第三巻』の監修を担当した田中修二(大分大学教育福祉学部准教授)と『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通してみる世界』を企画、同カタログに論文を執筆した荒木夏実(森美術館キュレーター)が選出された。受賞者には奨励金として100万円が贈られる。

公益信託倫雅美術奨励基金が主催する倫雅美術奨励賞は、美術評論家の河北倫明・雅枝夫妻が日本の美術振興および若手美術家に寄与することを目的に創設。美術評論・美術史研究の各分野で活動する推薦委員からの推薦に基づき、基金運営委員会で審議選考を行なう。選考対象は、概ね2年間に国内で発表された優れた美術評論、美術史研究、展覧会の企画(カタログなどを含む)で、対象年齢はその年の12月1日現在で概ね50歳未満。

田中修二が監修した『近代日本彫刻集成 昭和前期編 第三巻』は、昭和戦前期から全体主義の戦争の時代、さらに第二次世界大戦後の文化の復興が叫ばれた時期を扱っており、昨年5月に国書刊行会から出版された。一方、荒木夏実が企画した『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通してみる世界』は、さまざまな境界を自由に行き来する子どもの性質に注目することで、世界各地の社会的事象を見つめ、既成概念にとらわれない子どもの創造性や感覚に迫る展覧会で、今年5月から8月まで森美術館で開催された。現在、同展は名古屋市美術館で開催中(来年は沖縄県立博物館・美術館、高知県立美術館を巡回予定)。

なお、顕呈式はホテルニューオータニで12月10日(水)に開催される。

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