第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ、ディレクター発表


Christine Macel

2016年1月23日、ヴェネツィア・ビエンナーレ事務局は2017年に開催を予定している第57回ヴェネツィア・ビエンナーレのディレクターに、ポンピドゥーセンターのチーフキュレーターのクリスティーヌ・マセルを任命したと発表した。

クリスティーヌ・マセルは、1969年パリ生まれ。美術史を学んだ後、95年よりフランス文化通信省の造形芸術庁のキュレーター職に就き、2000年に自身も創設に関わったポンピドゥーセンターのチーフキュレーターに就任、現在に至る。また、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレでは、フランス館代表キュレーターとして、ドイツ館を使用したアンリ・サラの個展を企画している。これまでに、ポンピドゥーセンターでのアンリ・サラ、ガブリエル・オロスコ、フィリップ・パレーノ、ソフィ・カル、ナン・ゴールディン、レイモン・アンスなどの個展や数多くの展覧会を企画。また、同センターに若手アーティストに国際的な発表の機会を与えるスペース「Espace 315」を設立し、ク・ジョンア、パヴェウ・アルトハメル、ダミアン・オルテガらの展示を企画。昨年はシチリア州立現代美術館(リーゾ館)やダブリンのアイルランド国立美術館でも企画展を開催。そのほか、書籍やカタログなどへの寄稿も多数。現在は『Dear Friends, donations of the last 5 years』、『Melik Ohanian, Marcel Duchamp Prize』(ともにポンピドゥーセンター)の準備に取り組んでいる。

事務局代表のパオロ・バラッタは、世界中に広がる軋轢や分裂をテーマに、私たちが不安の時代に生きていることを認識させたオクウィ・エンヴェゾーの後を受けて、キュレーターとして、この世界に創造を通じて惜しみない活力を与えるというアーティストの役割を重視してきた、クリスティーヌ・マセルを抜擢。彼女にはポンピドゥー・センターの「Création contemporaine et prospective」部門の豊富な経験で培った、世界各地から生まれてくる新しい力を見極める能力があるとコメントを寄せている。

第57回ヴェネツィア・ビエンナーレは、2017年5月13日から11月26日まで開催予定。

ヴェネツィア・ビエンナーレhttp://www.labiennale.org/

過去10回のディレクター一覧
第56回(2015)|オクウィ・エンヴェゾー
第55回(2013)|マッシミリアーノ・ジオーニ
第54回(2011)|ビーチェ・クリーガー
第53回(2009)|ダニエル・バーンバウム
第52回(2007)|ロバート・ストー
第51回(2005)|マリア・デ・コラル、ロサ・マルティネス
第50回(2003)|フランチェスコ・ボナミ
第49回(2001)|ハラルド・ゼーマン
第48回(1999)|ハラルド・ゼーマン
第47回(1997)|ジェルマーノ・チェラント

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