2010年6月28日にロンドンで行なわれたサザビーズの現代美術オークションは、4100万ポンド(約54億円)の売上を記録した。これは同社が事前に予想していた総落札の範囲内であったが、過去3番目の売上高となり、昨年同期に比べると60%増の結果となっている。これは直近のニューヨーク、ロンドンでの同社の記録に続くもので、現代美術市場の快調な回復ぶりを裏付ける形となった。
高額で落札された作品は、イヴ・クライン、ルーチョ・フォンタナ、ゲルハルト・リヒター、フランク・アウエルバッハ、アンディ・ウォーホールといった有名作家の50~60年代の作品で、平均価格はおよそ93万3000ポンド(約1億2900万円)となり、2008年7月以来の好調さを示している。フランク・アウエルバッハの「Mornington Crescent – Summer Morning」 は220万ポンド(約2億9000万円)で、イギリスでのアーティスト・レコードとなった。
ドイツのヒポ・フェラインス銀行のコレクションであったイヴ・クラインの「RE 49, Relief Eponge Bleu」は、620万ポンド(約8億1500万円/予想落札価格450-650万ポンド)。金箔画「MG42」は 480万ポンド(約6億3300万円)で、2000年6月に出品された時の落札価格である80万ポンド(約1億円)のほぼ6倍。火の絵画「F124」は91万ポンド(約1億2000万円)で、予想落札価格の80-120万ポンド(約1億500万円から1億6000万円)と予想の範囲内であった。
ゲルハルト・リヒターの巨大な写真絵画作品「Neger (Nuba)」は370万ポンド(約4億9000万円)と予想落札価格の350-450万ポンドの範囲内であったが、同作品は1995年のサザビーズで落札された価格29万ポンド(約3億9000万円)の12倍の価格。油彩作品「Abstraktes Bild」は予想落札価格の範囲内の116万ポンド(およそ1億5000万円)となった。
また、ウォーホールが死亡する数ヶ月前に制作した自画像シリーズ「Camouflage Self Portrait」は170万ポンド (約2億3000万円/予想落札価格150-250万ポンド)。バールティ・ケールの有名な象の彫刻「Skin Speaks a Language not its Own」は99万ポンド(約1億3000万円/予想落札価格70-100万ポンド)で落札され、近代女性インドアーティストの新記録になると同時にケールのアーティスト・レコードともなった。