2015年6月16日、バーゼルに本社を置く保険会社バロワーズ・ホールディングスは、アート・バーゼル2015の「アート・ステートメンツ」部門に出品した若手アーティストを対象とする「第17回バロワーズ賞」を、ローラ・パートレット・ギャラリー(ロンドン)から出品したベアトリス・ギブソンと、アリックス・マルセル(パリ)から出品したマチュー・クレイベ・アボネンのふたりに授賞した。
ベアトリス・ギブソンは1978年ロンドン生まれ。文化的、社会的衝突を多数の意味のレイヤーで描いたギブソンの映像作品は、その実験的な物語構造により近年高い評価を受けている。マチュー・クレイベ・アボネンは1977年フランス領ギアナ生まれ。現代社会の発展の基礎をなす文化ヘゲモニーに着目した作品制作を行なう。開催中の第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展でも作品を発表している。
同賞を受賞したギブソンとアボネンには、賞金30,000スイスフラン(約400万円)が授与される。また、バロワーズは両者の作品を購入し、フランクフルト近代美術館(MMK)とルクセンブルク・ジャン大公現代美術館(MUDAM)に寄贈する。審査員は両美術館にそれぞれ所属するマリー=ノエル・ファルシーとスザンヌ・ゲンスハイマーに加え、ワルシャワ近代美術館のヨアンナ・ミツコヴスカ、ヘルツォーゲンラート在住のヴィルヘルム・シュルマン教授、審査委員長はバロワーズのアートアドバイザー、マルタン・シュワンダーが務めた。過去には、サイモン・フジワラ(2010年)、ヤン・ヘギュ(2007年)、ティノ・セーガル(2004年)らも受賞している。
Baloise Art Prize:
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