朝日新聞社及び朝日新聞出版は、第38回木村伊兵衛写真賞の受賞者に菊地智子と百々新の二人を選出したことを発表した。
菊地智子は1973年東京生まれ。大学卒業の翌年に香港に移住し、99年からは北京を拠点に活動を続ける。受賞対象となったのは、昨年末から今年一月まで東京都写真美術館にて開催された展覧会『日本の新進作家vol.11 この世界とわたしのどこか』で発表された、地方から都市部に集まるドラァグクイーンを対象に2006年から制作しているシリーズ「I and I」。
百々新は1974年大阪生まれ。90年代半ばから発表を続け、これまでに日本写真協会新人賞(2000)やAPA広告賞(2011)を受賞している。受賞対象は、カスピ海を中心に周辺五カ国の様子を記録した写真集『対岸』(赤々舎)と昨年四月に銀座ニコンサロンで行なわれた同名写真展。
同賞は、写真家の故木村伊兵衛の業績を記念し、1975年に創設されたもの。選考年度にすぐれた作品を発表した新人写真家を対象としている。選考は複数の写真関係者へのアンケートにより、候補者が推薦され、選考委員会にて受賞者を決定する。今回の選考の詳細は来月発売のアサヒカメラ4月号及び、朝日新聞の文化面にて掲載される。授賞式は、4月23日に東京・丸の内の東京會舘で行なわれ、受賞者には賞状、賞牌および賞金50万円がそれぞれ贈られる。また、受賞作品展が4月23日からコニカミノルタプラザにて開催される。