第56回ヴェネツィア・ビエンナーレのディレクター発表

2013年12月4日、ヴェネツィア・ビエンナーレ事務局は2015年に開催される次期ヴェネツィア・ビエンナーレのディレクターにオクウィ・エンヴェゾーを任命した。

ヴェネツィア・ビエンナーレ事務局代表のパオロ・バラッタは、過去最大の来場者数となった第55回ヴェネツィア・ビエンナーレの成果を受け、アートが取り組んできた幅広いテーマにおける活動や研究の歴史に目を向けるヴェネツィア・ビエンナーレを目指す上で、グローバル化という複雑な現象への分析、探求を続けるエンヴェゾーを適任として判断した。

エンヴェゾーは今回の任命に対し、「アート、政治、テクノロジー、経済が交差する場として、数々の歴史的な変遷を経てきたヴェネツィア・ビエンナーレは、現代美術における稀有な存在である。また、このビエンナーレは、そのようなあらゆる領域について探求する理想的な場所であり、展覧会を計画していく上で、ビエンナーレ自体もまたインスピレーションの源泉となるだろう」と述べている。

オクウィ・エンヴェゾーは1963年ナイジェリア生まれ。ポスト植民主義や政治的な問題などを扱った展覧会を数多く手掛け、現在はミュンヘンのハウス・デア・クンストのディレクターを務め、国際的に最も活躍しているキュレーターのひとりとして知られる。これまでに、第2回ヨハネスブルク(1997)、ドクメンタ11(2002)、第2回セビーヤ・ビエンナーレ(2006)、第7回光州ビエンナーレ(2008)、ラ・トリエンナーレ(2012,パリ)など、数多くの国際展のアーティステックディレクターを務めている。そのほか、レコードレーベルのECMを扱った『ECM Cultural Archaeology』(2013,ハウス・デア・クンスト)、アパルトヘイト政策制定後のイメージによる闘争を扱った『Rise and Fall of Apartheid: Photography and the Bureaucracy of Everyday Life』(2012,国際写真センター)、現代美術におけるドキュメントの使用を考察した『Archive Fever: Uses of the Document in Contemporary Art』(2008,国際写真センター)などの企画展を手掛けている。

なお、第56回ヴェネツィア・ビエンナーレは従来よりも1ヶ月近く早い5月9日からの開催となる。

ヴェネツィア・ビエンナーレ:http://www.labiennale.org/

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