西尾美也「Overall: Steam Locomotive」2010年 Courtesy of the artist
2015年3月26日、あいちトリエンナーレ実行委員会は、あいちトリエンナーレ2016に関する記者会見を名古屋市内、愛知芸術文化センターで開き、参加アーティストの一部や開催概要を発表した。
3度目の開催となるあいちトリエンナーレ2016は、芸術監督に港千尋を招聘し、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、2016年8月11日から10月23日までの74日間にわたって、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市のまちなか(長者町地区など)、豊橋市内、岡崎市内で開催される。
現代美術の国際展部門を担当するのは、拝戸雅彦(愛知県国際芸術祭推進室主任主査)をチーフ・キュレーターに、それぞれサンパウロ、イスタンブールを拠点とするインディペンデント・キュレーター、ダニエラ・カストロとゼイネップ・オズ、日本国内から服部浩之(青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]学芸員)と金井直(信州大学人文学部芸術コミュニケーション分野准教授)が加わったキュレーター・チーム。
*キャンディ・ファクトリー・プロジェクト / 北九州国際ビエンナーレ・ワールド・ツアー2012 展示風景 Gallery Soap 2012
今回の記者会見では、国内外を拠点に活動する9組の参加アーティストが発表された。古郷卓司が主宰する国際的な展覧会のプラットフォーム「キャンディ・ファクトリー・プロジェクト」は、2007年に「北九州国際ビエンナーレ」を開催すると、2012年よりベルリン、釜山、東京、シンガポールなどで展覧会やスクリーニング、シンポジウムを展開。この移動を続ける「国際展」は、港の掲げるテーマを具体化したひとつの例と考えられるだろう。(※登録名は「キャンディ・ファクトリー・プロジェクト/北九州国際ビエンナーレ in 愛知」)また、港がコミッショナーを務めた第52回ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館で作品を発表した岡部昌生、キュレーターの金井が豊田市美術館で企画した『アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術』(2005)の出品作家、ジョヴァンニ・アンセルモ、そのほか、ニコラス・ガラニン、三田村美土里、西尾美也、大巻伸嗣、クリス・ワトソン、山城知佳子の参加も決定。今後発表される参加アーティストとともに、港の目指す「先端性」、「複合性」、「祝祭性」を兼ね備えた創造の旅を構成していく。
Above: ジョヴァンニ・アンセルモ「無題」1969年 Foto © Paolo Mussat Sartor.
Below: 山城知佳子「肉屋の女」2012年 Courtesy of the artist / Yumiko Chiba Associates
越後谷卓司(愛知県美術館主任学芸員)と濱治佳(山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局長)がキュレーターを務める映像プログラム部門では、沖縄出身で国際的にも高い評価を受ける映画監督、高嶺剛の参加が発表された。また、藤井明子、唐津絵理(ともに愛知県芸術劇場シニアプロデューサー)がキュレーターを務めるパフォーミングアーツ部門では、正統派フラメンコ舞踊手として台頭するも、フラメンコのテクニックを脱構築し、その新たな可能性を探るイスラエル・ガルバン、日本の即興演奏の第一人者で国際的に活躍する小杉武久の参加が決定。そして、水野学(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー)がキュレーターを務めるプロデュースオペラ部門は、ガエタノ・デスピノーサが指揮、勅使川原三郎が演出を担当し、モーツァルトの『魔笛』に挑む。
また、「あいちトリエンナーレ2016 コンセプト・ビデオ」、「あいちトリエンナーレ 2010 / 2013 ドキュメント」(ともに、監督/山城大督、音楽/蓮沼執太、プログラミング/林洋介)も本日より公開されている。
あいちトリエンナーレ:http://aichitriennale.jp/
2016年8月11日(木・祝)-10月23日(日)
愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか、豊橋市内、岡崎市内
あいちトリエンナーレ2016 コンセプト・ビデオ
あいちトリエンナーレ 2010 / 2013 ドキュメント
※太字は今回発表された参加アーティスト