2014年3月13日、文化庁は芸術各分野における優れた業績、またはその業績により各部門に新生面を開いた芸術家に贈られる芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の今年度の受賞者を発表した。美術部門の大臣賞には大竹伸朗と福田美蘭、新人賞には米田知子が選出され、芸術振興部門の新人賞に五十嵐太郎が選出された。贈呈式は3月19日に東京都内の都市センターホテルにて行なわれる。
美術部門大臣賞の大竹伸朗は、国内外4か所で実施された『ニューニュー』(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)、『憶速』(高松市美術館)の両個展、瀬戸内国際芸術祭で発表した「女根/めこん」、そして、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展での「スクラップブック」の展示と、国際的な注目を集めるに至る全ての作家活動が贈賞理由として挙げられた。同じく、美術部門大臣賞の福田美蘭は、これまでの実績とともに、東京都美術館で開催された個展で発表した同時多発テロや東日本大震災など現代のさまざまな出来事を題材にした新作の充実度及び今後の展開への期待が贈賞理由に挙げられた。
また、美術部門新人賞の米田知子は、個展『米田知子 暗なきところで逢えれば』(東京都写真美術館)における徹底した現場主義と、同じく徹底した視覚への探求の結合によって、写真が歴史にアプローチするための協力な手段となり得ることを示したことが贈賞理由とされ、芸術振興部門新人賞の五十嵐太郎は、芸術監督を務めた『あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地―われわれはどこに立っているのか:場所,記憶,そして復活』での試みを評価すると同時に、監修を務めた『3.11-東日本大震災の直後,建築家はどう対応したか』と建築の専門家としての震災以降の活動との連動が贈賞理由に挙げられた。
(※同日17時30分、贈賞理由などを加筆修正)