2016年4月4日、光州ビエンナーレ財団は今秋9月に開幕する第11回光州ビエンナーレのテーマや参加アーティストの一部を発表した。
昨夏に任命されたアーティスティックディレクターのマリア・リンドが掲げるテーマは「第八の風土(アートは何を為すか)[Eighth Climate (What does art do?)]」。「第八の風土」という概念は、12世紀のペルシアで神秘主義と哲学を融合させた照明学派のシェイフ(師)として知られる哲学者、スフラワルディーにまで遡り、20世紀フランスの哲学者でイスラム研究者のアンリ・コルバンが詳説したものに由来する。それは物質や精神、歴史、神話の区別に基づく風土ではなく、むしろ、存在論的に実在する風土であり、具体的な影響を持つものの、私たちの日常的な知覚や理解を越えたところにある。第11回光州ビエンナーレでは、そのような想像的世界としての「第八の風土」という観点から、アートのパフォーマティブな側面に着目し、未来に対する能動的な関係性を有するアートの潜在能力を探求していく。
今回発表された23組の参加アーティストは以下の通り。
アーメット・ユーグ、アマリア・ピカ、アーネ・ヨルト・グットゥ、アポロニア・シュシュテルシッチ with ペ・ダリ、ビック・ファン・デル・ポル、ベルント・クラウス、パク・ボナ、セリーヌ・コンドレッリ、クレア・バークレー、ドラ・ガルシア、フェルナンド・ガルシア・ドリー、グニラ・クリングベリ、フー・ユン、イ・ジュヨ with チョン・ジヒョン、イ・ジョンミン、ジュリア・サリセティアッティ、Metahaven[メタへヴン]、ミヒャエル・ボイトラー、ナターシャ・サドル・ハギーギアン、サイレン・ウニョン・チョン、ソーレン・アンドレアセン、トミー・ステッケル、タイラー・コーバーン。
展覧会のほか、アートのインフラに着目する第11回光州ビエンナーレでは、地元NPOのアーティストコレクティブ「Mite-Ugro[ミテ−ウグロ]」をはじめ、地元のアーティスト、学生、市民とビエンナーレ参加作家らが、読書会やスクリーニングなど、アートと光州という都市に焦点をあてたイベントを行なう「マンスリー・ギャザリング」、光州市内の公的および私的な教育機関で、ビエンナーレ参加作家やキュレーターがレクチャーやプレゼンテーション、ディスカッションを行なう「インフラ−スクール」、世界各地の大小約100の組織と連携した企画などを実施していく。
第11回光州ビエンナーレ
2016年9月2日(金)-11月6日(日)
http://gwangjubiennale.org/