ヒューゴ・ボス賞2012は、ダン・フォーに


Untitled (Christmas) (2007) Singapore Biennale 2011

2012年11月1日、ソロモン・R・グッゲンハイム財団は、現代美術において重要な貢献を果たしたアーティストへ与えられるヒューゴ・ボス賞2012を、ダン・フォーに授与することを発表した。フォーには10万USドル(約800万円)の賞金と来春のニューヨークのグッゲンハイム美術館での個展開催の機会が与えられる。
フォーは1975年にサイゴンに生まれ、両親が難民としてデンマークに亡命したことで西欧の教育を受けて育つ。テキストや写真などを用いた時間や空間を横断する詩的なアプローチで、文化的アイデンティティ、政治、歴史に関連する切迫した関心事を扱った作品を発表している。これまでにフリデリチアヌム美術館(2011)やクンストハレ・バーゼル(2009)などで個展を開催し、来年にはパリ市立美術館での個展も控えている。また、第3回シンガポール・ビエンナーレ(2011)、第8回光州ビエンナーレ(2010)、第6回ベルリン・ビエンナーレ(2010)、マニフェスタ7(2008)など数多くの国際展、企画展にも参加している。日本国内では横浜トリエンナーレ2008にて作品を発表している。
今回受賞を逃したものの最終選考に残ったのは、トリシャ・ドネリー、ラシード・ジョンソン、モニカ・ソスノヴスカ、トリス・ヴォナ・ミッチェル、邱志傑(チウ・ジージェ)。審査員はグッゲンハイム美術館チーフ・キュレーターのナンシー・スペクターらが務めた。過去の受賞者は、マシュー・バーニー(1996)、ダグラス・ゴードン(1998)、マリイェティツァ・ポタルチュ(2000)、ピエール・ユイグ(2002)、リクリット・ティラヴァニャ(2004)、タシタ・ディーン(2006)、エミリー・ジャーシル(2008)、ハンス=ペーター・フェルドマン(2010)。

(文中敬称略)

関連記事
ダン・フォー インタビュー「5つの事柄についての永続的な調書」(2011/02/10)

ヒューゴ・ボス賞2012最終候補者発表

Copyrighted Image