2012年のターナー賞は、エリザベス・プライス


Elizabeth Price, The Woolworths Choir of 1979. Courtesy the artist and MOTInternational, London

2012年12月3日、エリザベス・プライスが今年のターナー賞を受賞した。
エリザベス・プライスは、1966年ヨークシャー生まれ。2000年以降、サイエンス・フィクションを用いた映像作品で評価を高める。バルティック現代美術センターで開催した個展『HERE』が審査対象となった。プライスは受賞コメントとして公的助成金なしには今回の受賞はありえなかったと述べた。英国では2010年の選挙結果を受け、アートへの公的助成金が大幅に減少される傾向がある。プライスには賞金2万5000ポンド(約330万円)、そのほか、最終選考に残ったスパルタカス・チェットウィン、ルーク・ファウラー、ポール・ノーブルにもそれぞれ5000ポンド(約66万円)が授与される。現在、テート・ブリテンでは4人の作品による展覧会を来年1月6日まで開催している(各アーティストの簡単な紹介は同賞候補者発表時の後述記事を参照)。
同賞は1984年に設立され、イギリス現代美術において最も重要な賞とひとつとして知られる。毎年、過去1年間の実績をもとに50歳未満のイギリス生まれのアーティスト、またはイギリスを拠点に活動するアーティストに授賞される。昨年はイギリス東部ニューキャッスル郊外のゲーツヘッドにあるバルティック現代美術センターにて発表されたが、今年は例年通りテート・ブリテンでの発表に戻った。また、今回の審査はアンドリュー・ハント(フォーカル・ポイントギャラリー, ディレクター)、ハイケ・ムンダー(ミグロ現代美術館, ディレクター)、マイケル・スタンリー(オックスフォード近代美術館, ディレクター)、マーク・スレイデン(クンストハレ・シャルロッテンブルク, ディレクター)、ペネロペ・カーティス(テート・ブリテン, ディレクター)の5名が担当した。近年の受賞者には、マーティン・ボイス(2011)、スーザン・フィリップス(2010)、リチャード・ライド(2009)、マーク・レッキー(2008)、マーク・ウォリンジャー(2007)など。

Turner Prize:http://www.tate.org.uk/britain/turnerprize/

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