PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015


蔡國強「京都ダ・ヴィンチ」

2014年3月7日、『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015』が京都市美術館を中心に市内各所で開幕する。

PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015は、京都を舞台とした初の大規模な現代美術の国際展。先月末、ハルーン・ファロッキ、ルイーズ・ローラー、アラン・セクーラ、アラン・セクーラを読む人(番場俊、前川修、佐藤守弘、北野圭介 ※カタログテキスト収録での参加)の4組の参加が追加発表され、芸術祭全体には21の国と地域から40組のアーティストが参加することとなった。

メイン会場となる京都市美術館には、34組のアーティストが展示を行なう。1933年に和洋折衷の帝冠様式で建設された同館の約10,000m2という広さを活かして、ほとんどのアーティストがそれぞれひとつの展示室を使用するという余裕のある展示空間となっている。同芸術祭では約2年の開催準備期間から、オープンリサーチプログラムやワークショップなどの実施、調査のための招聘を通じて、参加アーティストの「京都」という場所に対する積極的な関与を促しており、京都市美術館では、ブラント・ジューソー、笠原恵実子、フロリアン・プムヘスル、田中功起らが場所の特性を反映した新作を発表する。同様に、堀川団地ではピピロッティ・リスト、笹本晃が、鴨川デルタではスーザン・フィリップスが場所の特性を反映した新作を発表する。

その一方で、アーティスティックディレクターの河本信治は、国際展の定石とされている特定のテーマや文脈を敢えて持たないことを選択している。ART iTの取材に対して、河本は「エンタテインメントや物語性からあえて距離をとり、円環やスパイラルではなく、散在する点による電子殻のような形を目指した」と語り、それを象徴するように、本、読解と誤解、ブリコラージュ、産業、交易などのキーワードがところどころ重なるような緩やかな繋がりが透けて見える展覧会となっている。

会期中には、数多くのイベントが企画されており、明日の開幕から3日間にも、蔡國強のワークショップ、サイモン・フジワラや下條信輔のレクチャー、ヘフナー/ザックスによる崇仁ガイドツアー(以上、3月7日)、シンポジウム「美術館を超える展覧会は可能か」(3月8日)、王虹凱のワークショップ、眞島竜男らが登壇するトークイベント(ともに3月9日)が開催される。そのほか、会期中のイベントは公式ウェブサイトを参照。

なお、ART iTでは、これまでに掲載した記事より、河本と森村泰昌の対談をはじめ、参加アーティストのインタビューを中心にまとめた特設ページ「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015|Interview Archive」を開設している。

PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015
2015年3月7日(土)–5月10日(日)
http://www.parasophia.jp/

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