第41回木村伊兵衛写真賞

2016年3月16日、朝日新聞社と朝日新聞出版が共催する木村伊兵衛写真賞の受賞者に、ダゲレオタイプの写真作品で知られる新井卓を選出したと発表した。新井には賞状と賞牌、副賞100万円が授与される。

新井卓は1978年神奈川県生まれ。受賞対象となったのは、福島、広島、長崎とアメリカ各地の核のモニュメントを巡る旅と、新井が日々撮影しているダゲレオタイプを収録した写真集『MONUMENTS』(2015、PGI)。昨年は同写真集の出版のほか、『To What End?』(カメラ・オーストリア、2015)、『In the Wake: Japanese Photographers Respond to 3/11』(ボストン美術館、2015)への出品や、東京都立第五福竜丸展示館での個展を開催。そのほか、近年の主な展示に、『これからの写真』(愛知県美術館、2014)、『六本木クロッシング2013:アウト・オブ・ダウト展』(森美術館、2013)、『写真の現在4—そのときの光、そのさきの風』(2012、東京国立近代美術館)などがある。

木村伊兵衛写真賞は1975年に故・木村伊兵衛(1901-1974)の業績を記念して創設された。選考年度に発表された写真活動(雑誌、写真集、写真展など)において、優れた成果を上げた新人を対象としている(※ただし、2004年の第30回受賞者の中野正貴は受賞当時49歳)。選考委員には、石内都、鈴木理策、ホンマタカシが加わり、長島有里枝を含む同賞受賞写真家4名と、アサヒカメラ編集長の佐々木広人の計5名が、候補者の中から受賞者を決定した。新井卓のほか、候補者には薄井一議、奥山由之、仲田絵美、西野荘平、春木麻衣子、水谷吉法、横田大輔の名前が挙っていた。選考の詳細は3月19日発売のアサヒカメラ4月号と朝日新聞文化面で紹介する。

授賞式は4月22日に東京・竹橋の如水会館で開催。同日より東京・新宿のコニカミノルタプラザで受賞作品展を開催。

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