東京アートミーティング(第5回) 新たな系譜学をもとめて‐ 跳躍/痕跡/身体

先の見えにくい不安な時代、人は確かなものとしてまず自分の身体を確認しようとします。この身体にある感覚や記憶、知恵がどこからきたのか痕跡をたどろうとするのです。

ダ ンス、能・狂言や歌舞伎などの伝統芸能、演劇、スポーツ、武道などの身体表現は、言語を超えたコミュニケーションとして、あるいはローカルなトポスや文化の記憶 として、私たちの精神生活に深くかかわってきました。にもかかわらずそれらの多くは、アートの歴史において、モダニズムの価値観からとりこぼされてきたの です。

本展「新たな系譜学をもとめて」は、身体に残された記憶や知の痕跡が、それぞれの時代の表現にとりいれられ、新たな創造を産み出してきた系譜をたどり、現在の表現を見直すことを意図しています。今回は狂言師であり、現代演劇やパフォーマンスへの出演や演出でも活躍する野村萬斎を総合アドバイザーにむかえます。その身体は600年にわたる伝統の型を継承しながら、現代まで一気に跳躍して、さまざまな現代の表現と交わることで、新しい創造の遺伝子をつくりだしています。例えば、極限まで簡潔化された能の動きは、言葉を排して、ミニマルな形の反復を特徴としたダムタイプとつながり、新たな系譜学の可能性を示唆し ます。

本展は、絵画、映像、インスタレーション、50年代以降の能や舞踏など前衛とのかかわりをたどる資料展示や、会場内で行なわれるパフォーマンスとあわせて構成されます。従来のアートにおけるパフォーマンス展にはなかった、新しい展示の試みとなります。

【出品作家】
チェルフィッチュ|チョイ・カファイ|ダムタイプ|ダグラス・ゴードン&フィリップ・パレーノ|金氏徹平 |シャロン・ロックハート、ノア・エシュコル|アンリ・マティス |ジュリー・メーレトゥ|村上三郎|エルネスト・ネト |野村萬斎|大植真太郎+森山未來+平原慎太郎 |インバル・ピント&アブシャロム・ポラック・ダンスカンパニー|ジャクソン・ポロック|Dentsu Lab Tokyo & Rhizomatiks |白髪一雄|田中敦子 | サイ・トゥオンブリー|吉原治良
*ダムタイプの新作展示期間およびアンリ・マティスの展示期間は9/27-11/16
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パフォーマンスプログラムA キュレーター:中村茜
パフォーマンスプログラムB キュレーター:塚原悠也(contact Gonzo)
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特別協力:中田英寿
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会期:
2014年9月27日(土)―2015年1月4日(日)

開館時間:
10:00〜18:00*入場は閉館の30分前まで

休館日:
月曜日(10/13、11/3、11/24は開館)、
10/14、11/4、11/25、12/28- 2015/1/1

その他詳細はHP(http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/seekingnewgenealogy.html)をご覧ください。

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