MOTコレクション 私たちの90年:1923-2013|ふりかえりつつ、前へ

MOTコレクション
私たちの90年:1923-2013
ふりかえりつつ、前へ

東京都現代美術館の常設展示室では、約4,500点のコレクションを核として、会期ごとにテーマを設定し、現代美術の魅力を多角的に紹介しています。今回のMOTコレクションでは、現実世界に起こるさまざまな出来事にむけて意識を拡張し、それを積極的に自分のうちにとりこむことで作品を創り上げていった作家それぞれの営みに着目し、1923年から今日までの90年間をゆるやかな2部構成でご紹介します。

まず1階の第I部では、1920年代から80年代まで、日本社会の現実を鮮烈に表した作品を展示します。1923年の関東大震災に直面した鹿子木孟郎、復興した都市風景を描いた版画《新東京百景》、自身の戦争体験を基に社会を鋭くとらえた浜田知明、戦後の人間像を模索した麻生三郎、岡本太郎、東郷青児、さらに、時代の風俗や働く人々を真摯に描いた新海覚雄、高度経済成長期のエネルギーをポスターでアピールした亀倉雄策、横尾忠則らの作品を見直します。

3階の第II部では、高度経済成長のあゆみが転換期を迎える80年代以降に生み出された作品をご紹介します。日本におけるバブル経済とグローバリズムを背景に私たちを取り巻く記号と政治に視線を向けた柳幸典のインスタレーションに始まり、各々の仕方で固有の歴史に向き合うダダン・クリスタントや小沢剛といった作家たち、広く歴史を形成するものとしての人々の生活や関係性の細部に目を向けた小林孝亘、サム・テイラー=ウッド、八木良太らによる作品群まで、社会・文化事象との関わり方それ自体が多様になった時代の作品群を見てゆきます。

残された作品を過去に置き去りにするのではなく、変わりゆく私たちの日々に照らし合わせて何度も見直すことで、そこにこれからの指標を探ることもできるのではないでしょうか。そうした作品との新たな出会いが、これからも続いていくだろう私たちの日々、生活、人生を考えるささやかなきっかけとなれば幸いです。

【出品予定作家】

【1 F】
鹿子木孟郎(1874-1941)、浜田知明(1917-)、麻生三郎(1913-2000)、岡本太郎(1911-1996)、東郷青児(1897-1978)、
新海覚雄(1904-1968)、亀倉雄策(1915-1997)、横尾忠則(1936-)

【3 F】
淺井裕介(1981-)、伊庭靖子(1967-)、小沢剛(1965-)、
小林孝亘(1960-)、八木良太(1980-)、柳幸典(1959-)、
ダダン・クリスタント(1957-)、デイヴィッド・ホックニー(1937-)、
サム・テイラー=ウッド(1967-) ほか
* スゥ・ドーホー、ピピロッティ・リストの作品も引き続きご覧いただけます。

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会期: 2012 年10 月27 日(土)- 2013 年2 月3 日(日)

休館日: 月曜日(ただし12 月24 日、1 月14 日は開館)、
12 月25 日、年末年始(12 月28 日~1月1日)、1 月15 日

開館時間: 10:00 -18:00(入場は閉館の30 分前まで)

会場: 東京都現代美術館 常設展示室 1階、3階

観覧料:
一般 500円 
大学生 400円
高校生・65歳以上 250円
小学生未満 無料
*企画展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
*身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と付添者2名は無料。

主催: 東京都、東京都現代美術館
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小林孝亘 ≪Working Man≫1999年 油彩/カンヴァス

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