常設インスタレーションが新たに登場

群馬・ハラ ミュージアム アーク 

今秋、新たに3つの屋外インスタレーションがハラ ミュージアム アークに完成します。爽やかな秋の風もここちよい高原の美術館へぜひお出かけください。

第一弾として、ジャン=ミシェル オトニエルの「Kokoro」が9月中旬完成の予定。来館される皆様は、この巨大な作品の下をくぐり抜けて入館する形になります。素材には赤いムラーノガラスが使用され、ある方向からは抽象的なフォルムに、ある方向からは大きなハートの形に見えるというユニークな作品です。

ジャン=ミシェル オトニエル 「Kokoro」のためのドローイング

作家プロフィール
1964年フランス、サン=テティエンヌ生まれ。1980年代から硫黄、鉛、蜜蝋、水といった可変性のある素材を使った作品を制作。1993年以降、ガラスも重要な素材として扱うようになる。装飾性と官能性を特徴とする立体作品が評価されている。カルティエ現代美術財団(2003年)、パリ装飾美術館(2007年)などで個展開催のほか、第10回イスタンブール ビエンナーレ(2007年)など国際展、グループ展でも活躍。日本では、ハラ ミュージアム アークにて開催されたグループ展「Too French」(1991年 *約3週間滞在し現地制作を行なった)、東京都現代美術館でのグループ展(2006年)などにて紹介。現在、パリ在住。
http://www.galerieperrotin.com/

そして、オラファー エリアソンが原美術館での個展(2005~06)以来準備を進めてきた作品「Sunspace for Shibukawa」は、10月中旬の公開を予定しています。美術館東側の広々とした緑地にドーム状の装置が設置され、鑑賞する方はその中に入っていただきます。ドームに取り付けたいくつものレンズを通して太陽の光が中に射し込み、その光が内部に作り出す現象は太陽の運行に伴って刻々変化するという、自然と一体になった雄大な構想の作品です。

オラファー エリアソン「Sunspace for Shibukawa」完成予想図

作家プロフィール
1967年デンマーク、コペンハーゲン生まれ。光、水、風、匂い、温度など自然界に存在する要素を用いて空間を操り、知覚に働きかける作品を発表している。1989~1995年コペンハーゲンのロイヤル アカデミー オブ アーツで学ぶ。シドニー ビエンナーレ(1998年)、サンパウロ ビエンナーレ(1998年)、カーネギー インターナショナル(1999/2000年)、ヴェネツィア ビエンナーレ(1995年、2003年、2005年)、日本では横浜トリエンナーレ(2001年)など、多くの国際展に招かれ、高い評価を博す。世界の主要美術館にて個展を多数開催。原美術館では2005~06年、個展「オラファー エリアソン 影の光」を開催。昨年は、ニューヨーク市内に4つの滝を出現させるアートプロジェクトを行い、話題を呼んだ。現在、ベルリン在住。
http://www.olafureliasson.net/

さらに、もうひとつ10月公開予定の作品がイ ブル の「Infinity」(仮題)です。
サイボーグや身体を意識させる作品で知られるイ ブルが、ライトボックスの仕組みで斬新な視覚イメージを現出させる新作を発表します。設置場所は美術館エントランスで、完成すると、ご来館の皆様はオトニエルの作品をくぐり抜けたあと、この作品と出会うことになります。

プロフィール
1964年韓国、寧越生まれ。1987年弘益大学校美術学校彫刻科卒業。パフォーマンスほか、シリコン、ガラスビーズ、磁器ほか多様な素材を用い、人工的かつ装飾性に富んだ立体作品など、身体を意識させる作品を発表している。ニューヨーク近代美術館(MoMA)(1997年)、カルティエ現代美術財団(2007~2008年)ほか、世界の主要美術館で個展を多数開催。日本では、福岡アジア美術館(2000年)、国際交流基金フォーラム(2003年)などにて個展開催。第48回ヴェネツィア ビエンナーレ(1999年)韓国館代表、国際新人賞受賞。現在、ソウル在住。
http://www.leebul.com/

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