秋の觀海庵:「季をめでる」展

群馬 ハラ ミュージアム アーク
前期9月12日-10月12日  後期10月17日-11月23日

特別展示室「觀海庵」の本年最後の展覧会となります。

「武蔵野図屏風」 江戸時代 八曲一隻(部分)

今回は、秋と冬の季節の情景が描かれた絵画、一足早くお正月を意識して、おめでたいモチーフや干支のトラが描かれた絵画や工芸品を紹介しています。


狩野安信「龍虎図」 江戸時代 (双幅のうち部分)
現代のマンガにつながるような、抜け感のあるキャラクターに見えませんか?無造作に筆を走らせたかに思える、淡墨の柔らかな線に注目してください。一方、濃墨で勢いよく描かれた竹には、白い絵の具を飛ばして雪が表現されています。


「ぶりぶり蒔絵徳利提」 江戸時代
色絵薩摩焼の徳利一対を納める徳利提。左右の枠は、江戸時代以前に子供のおもちゃとして親しまれた、「ぶりぶり(振振)」を模しています。「ぶりぶり」は、八角の紡錘形に削られた木に車輪と紐が付いたものです。側面に松竹梅、鶴亀などが描かれていて、おめでたい席にぴったりの調度です。

また、「觀海庵」は古美術(原六郎コレクション)の鑑賞を主にした展示室ですが、原美術館所蔵の現代美術も織り交ぜて展示してあり、和の空間との対比もご覧いただけます。


展示室内〔前期〕

なお、絵画作品は前期・後期と入れ替わります(紹介した2点の絵画は前期の展示作品です)。
美術作品をとおして、秋から冬への季節のうつろいをお楽しみください。

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