【後期開催】「風の景・水の景」展@觀海庵

群馬 ハラ ミュージアム アークより

「風の景・水の景」展、後期は、雪村「列子御風図」、狩野探幽の「蛤蜊観音図」、「龍虎図」などが
ご覧いただけます。美術にみる風と水の表現の妙を、ひき続きお楽しみください。


雪村 「列子御風図」 (部分) 室町時代
衣をなびかせ、宙に浮かぶように描かれた人物は、中国・春秋戦国時代の思想家とされる列子(れっし)。
書物では、道術を究め、風を思い通りに動かすことができたと伝えられます。
独特な衣のかたちで表された、吹き上がる風と人物の浮遊感がみどころでしょう。柔軟な筆づかいで衣の形が巧みに捉えられていて、風に乗って天空を飛ぶ列子の姿が見てとれます。


狩野探幽 「蛤蜊観音図」 (部分) 江戸時代
大きな貝に乗った観音様が、水に漂っているように見えるでしょうか?
蛤蜊観音(こうりかんのん)は、日本で近世以降に信仰された三十三観音の一つで、蛤観音(はまぐりかんのん)ともいいます。人間の求めに応じて姿を変える観音菩薩の一つの姿です。
蛤と観音との組み合わせは、伝統的なもののようです。大蛤(おおはまぐり)は蜃(しん)ともいい、気を吐いて蜃気楼をつくり出すと考えられていましたが、この言い伝えが発展して、蛤から美人が現れる図や観音が現れる図が描かれるようになります。また、蛤を好んだ文宗帝(唐・808-840)がこれを食べようとしたところ観音が現れた、との伝承もあります。
水辺の景とともに、なびく観音の衣や波を描くしなやかな線が、涼やかな風の動きを感じさせます。

後期出品作品
【前・後期巻替え】
円山応挙 「淀川両岸図巻 下図」 一巻 江戸時代
【後期展示】
雪村 「列子御風図」 一幅 室町時代/狩野派 「花鳥図屏風」(三井寺旧日光院客殿障屏画) 六曲一双 桃山~江戸時代/狩野探幽 「蛤蜊観音図」 一幅 江戸時代/狩野探幽 「龍虎図」 双幅 江戸時代/軍配に鉄仙蒔絵刀筒 一合 江戸時代 ほか
杉本博司 「ATLANTIC OCEAN Cliffs of Moher, 1989」 1989/杉本博司 「IONIAN SEA Santa Cesarea, 1990」 1990/杉本博司 「BLACK SEA Inebolu, 1991」 1991/アニッシュ カプーア 「虚空」 1992/張洹(ジャン ホワン) 「養魚池の水位をあげるために」1997/青木野枝 「立山」 2007 ほか

ハラ ミュージアム アーク 夏の展覧会
◆觀海庵
風の景・水の景
後期 2010年8月3日(火)~8月31日(火)
◆現代美術ギャラリーA・B・C
原美術館コレクション展―美術な物語
会期: ~8月31日(火)

<公式WEBサイト>http://www.haramuseum.or.jp
<携帯サイト>http://mobile.haramuseum.or.jp

Copyrighted Image