「ラウシェンバーグへのオマージュ」スタート・原美術館照明のお話-1

東京の原美術館より。

「『間に合わせもの』」ラウシェンバーグへのオマージュ:原美術館コレクション」展が始まりました。1964年のヴェニス ビエンナーレにおいて、ロバート ラウシェンバーグがアメリカ人として初の最優秀賞を受賞した時の一点である「間に合わせもの」(写真手前右)ほか、20世紀半ばから現代にいたるアメリカ美術を紹介しています。

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ところで、今回は趣向を変えて原美術館の照明について、3回に渡ってご紹介してみたいと思います。
2008年6月、展示室および廊下、階段に最新の照明システムを導入しました。

1979年の開館以来、昭和初期に建てられた個人邸宅という独特な空間を活かした展示を行なってきましたが、このたびの改修によって、作品のライティングが格段に向上しました。また、ゆるやかなカーブと直線で構成された建築空間の特長が、より際立つようになりました。展示室に足を踏み入れると、発光する空間に包み込まれるような空気感と心地よさがあります。


「ジム ランビー:アンノウン プレジャーズ」原美術館展示風景(※本展は終了しています・2009年春まで開催) Copyright: Jim Lambie  撮影:米倉裕貴

「ライティングをした際に、新しい照明の威力に感激しましたね。インスタレーションの隅々まで均質な光が照射され、白黒のパターンが際立つ展示となりました。また、照明器具自体の存在を主張していないので、作品鑑賞に集中できる環境が整いましたね。」(当館学芸員、坪内談)

照明計画を手がけたのは、世界的に活躍する照明家・豊久将三氏。
当館の展示空間と光の関係を再考した上、
(1) 鑑賞の妨げにならない装置であること
(2) 作品を最大限に美しく見せること
(3) 保存科学上優れていること
を目指して計画が進められました。

今日はここまで。詳しいお話は、またお届けします。

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