
女子美術大学創立125周年記念展 この世界に生きること
2025年10月29日(水)–11月3日(月・祝)
スパイラルガーデン
https://www.spiral.co.jp/
開館時間:11:00–20:00(最終日のみ19:00まで)
会期中無休
展覧会ディレクター:粟田大輔+福士朋子
キュレーター:倉茂なつ子
主催:学校法人女子美術大学
展覧会URL:https://www.joshibi.ac.jp/joshibi-news/event/3501
女子美術大学は、創立125周年を記念し、同学出身者の飯山由貴、サエボーグ、繁殖する庭プロジェクト(小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)の3組4名の作品を展示するとともに、同学卒業生38組39名の活動をインタビュー映像と写真で紹介する展覧会「女子美術大学創立125周年記念展 この世界に生きること」を、スパイラルガーデンにて開催する。
女子美術大学(創設時の名称:私立女子美術学校)は、「芸術による女性の自立」、「女性の社会的地位の向上」、「専門の技術家・美術教師の養成」を掲げ、1900年に創立。建学の精神の背景には、当時の女性をめぐるしきたりや社会通念に対する批判的かつ創造的な眼差しが含まれており、その取り組みは、今なお立ち返るべきひとつの起点となっている。
本展では、ジェンダーをはじめ、わたしたちの生きる社会や歴史、日常の孕むさまざまな問題に対して向き合いつつ、「芸術による女性の自立」を実践的に捉え返すアプローチを通じて、鑑賞者それぞれがさまざまな問題について向き合い、考え、社会を変えていくきっかけとなることを目指す。

二部構成となる本展のPart 1の展示部門では、飯山由貴、サエボーグ、繁殖する庭プロジェクト(小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)の作品を紹介する。サエボーグはラテックス製の着ぐるみ「サエドッグ」のパフォーマンスを、仮設のステージを設けて常時公開。飯山は、戦争と性暴力のリサーチにもとづく新作インスタレーションを発表し、茜染めをした布を用いて展示空間を構成するほか、登壇者を招いてのトークイベントを開催する(イベント詳細は後日公式ウェブサイトにて公開)。そして、繁殖する庭プロジェクトは、映画『繫殖する庭』を映像インスタレーションとして再構成して発表する。
飯山由貴は、過去の記録物や人への取材を手がかりに、社会と個人の影響関係について映像やインスタレーションを制作してきた。近年は、市民や研究者、アーティストなどの協力者との協働制作に取り組む。近年の主な展示に「ヨコハマトリエンナーレ2020『Afterglow – 光の破片をつかまえる』」(横浜美術館、2020)、「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」(森美術館、2022)など。2025年には国立国際美術館で開かれるグループ展「プラカードのために」も控える。2011年女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻卒業。2013年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。
サエボーグは、⾃らの⽪膚の延⻑としてラテックス製のボディスーツを⾃作し、装着するパフォーマンスを展開。近年の主な個展に「黒部市美術館開館30周年サエボーグ Enchanted Animals」(黒部市美術館、2024)、グループ展に「Swingers:RISING」(Flinders Street Station、メルボルン、2025)「Engawa A Season of Contemporary Art from Japan」(グルベンキアン近現代美術館、リスボン、2024)、「Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」(東京都現代美術館、2024)、公演に「世界演劇祭2023」(フランクフルト、2023)など。2006年女子美術大学芸術学部絵画学科洋画専攻卒業。
繁殖する庭プロジェクト(小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)は、異性愛規範の外側を模索するために、庭作りや映画制作などに取り組む。上映に「東京ドキュメンタリー映画祭」(新宿ケイズシネマ、2023)、個展に「繁殖する庭」(GALLERY 10[TOH]、2021)など。個人として、小宮は「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」をテーマにメディア横断的に活動。谷川果菜絵との共同プロジェクトに「FAQ?」、漫画作品として『線場のひと』上・下巻(リイド社、2024・2025)刊行。2015年女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻卒業。鈴木は2015年より絵画造形教室「ちいさなピカソ」スタッフを務め、2025年より本学アート・デザイン表現学科非常勤助手も兼任。2017年女子美術大学大学院美術研究科美術専攻博士前期課程洋画研究領域修了。


さまざまな領域で活動する卒業生を紹介するPart 2の参加者は次の通り。青木明子(AKIKOAOKIデザイナー)、あかほりこのみ(立体作家、ゲームモーションデザイナー)、安次嶺維理亜(デザイナー)、飯嶋桃代(現代アーティスト)、飯田玄汀(書家)、市川海里(株式会社セガフェイブ MD・TOY開発生産本部 TOY開発部)、大小島真木(現代美術家・アートユニット)、大島智子(イラストレーター)、小野寺ずる(お役者、ド腐れ漫画家、脚本・演出家)、春日佳歩(油彩画家)、久野美怜(フォトグラファー、フィルムメーカー、ディレクター)、河野香奈恵(テキスタイル表現、染織作家)、柴谷麻以(アートディレクター)、杉田万智(現代アーティスト)、鈴木みのり(CMFデザイナー)、せきぐちひろみ(絵本作家、イラストレーター)、瀬古泰加(デザイナー、ギャラリーオーナー)、髙原真央(建築家、アトリエモタカ主宰)、田中もなみ(中学校主任教諭)、太郎物語 杏優、果音(演劇ユニット)、千田マミ(タグチアートコレクション ディレクター)、土屋紘奈(建築家)、中村美穂(木版画家)、中村萌(美術家)、野村仁美(Nomàt ディレクター)、はらわたちゅん子(ネオン画アーティスト)、藤沢まゆ(染色画家)、藤野麻由羅(日本画家)、藤原宇希子(日本画家)、HONGAMA(イラストレーター)、三留舞(ガラス工芸作家)、宮本華子(現代作家、AIR motomoto運用者)、森村智子(現代アーティスト)、山羊蔵(アート作家)、山形遥(ブランディングデザイナー、アートディレクター)、山﨑菜穂子(染色・図案家)、結城香(ぬいぐるみ商品企画)、余詩穎(アクションフィギュア原型師)。