消えつつ生まれつつあるところ
2024年10月19日(土)-11月18日(月)
イクヤマ家(石川県金沢市菊川2-14−3)、お向かいの家、Kアパート、角の家、松本家
https://www.tsuzuru.org/APTIVWBB/about.html
開場時間:12:00–18:00
休場日:火、水、木、金
入場料:1,500円
キュレーター:中森あかね、清水冴
アシスタントキュレーター:笠間亜理沙
金沢市菊川の空き家の活用とコミュニティの活性化を目指すNPO法人「綴る」主催のもと、同地域にあるコミュニティセンター「イクヤマ家」をはじめとした5軒の家屋を使用した展覧会「消えつつ生まれつつあるところ」が開催される。本企画は金沢21世紀美術館主催の「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」 連携企画「もっと踊ろう!共感のエコロジー」に参加している。
本展では、菊川の土地に根ざす「空き家」を、枯死・休眠の段階にある植物として想像し、葉を落として枯れ、休眠することが植物の次なる生のサイクルに不可欠なように、菊川の空き家もまた安らかな休息の過程にあると考え、その場に介入をすることで家の持つ記憶をなぞりつつも、新たな空気を吹き込もうとする。
道念道子《かみのみち》1996 撮影:池端滋
佐藤弘隆《戦争は平和》(2023)マルチメディア・インスタレーション ロボットアーム、筆ペン、三脚、ステッピングモータ、ドリーレール、他 撮影:柳原良平
O33《うつせみ−ほうえん》2023 羊腸 撮影:中井輪
昭和後期に建てられた「イクヤマ家」では、道念邦子(1944年石川生まれ)が「永遠に続く今」を意味する常緑樹・朝鮮槇(ちょうせんまき)の葉をモチーフとしたインスタレーションと、菊川を流れる鞍月用水から着想を得た清水冴(1997年石川県生まれ)による参加型の作品が展示される。同会場で滞在制作を行なうマーガレット・ウィブマー(1959年オーストリア・リエンツ生まれ)は、ラブレターをモチーフに「愛」を探求する参加型のパフォーマンスを行なう。戦前に建てられた「お向かいの家」では、佐藤弘隆(1993年新潟県生まれ)は菊川にまつわる画像データを記録したべっこう飴製のレコード盤を使ったメディア・インスタレーションを展開し、O33(1993年中国・内モンゴル自治区生まれ)は羊の腸を素材に、チベット仏教に基づく死生観をテーマとしたテキスタイル作品を発表する。昭和後期の建物「Kアパート」では、田中宏和(1998年岐阜県生まれ)は空き部屋をそのまま作品とする仕掛けを作り、中森あかね(1962 年石川県生まれ)は室内で植物を育て、朽ちた部屋を聖なる空間へと変容させるインスタレーションを制作、ニック・ヴァンデルギーセン(1981年オランダ・ロッテルダム生まれ)は能登を撮影した写真作品を展示する。昭和初期から住居兼店舗として使われていた「角の家」では、2021年に結成した金沢を拠点とする創作ユニット、サブドキュメントが「のこされたもの」をモチーフに演劇を行なう。築100年以上の空き家を改修した「松本家」では、生い茂る草花のなかに悠々とたたずむ不思議な少女や少年、小動物を描いてきた下出和美(1983年石川県生まれ)による絵画作品が展示される。
中森あかね《Table-Talk》2021 撮影:Nik van der Giesen
ニック・ヴァンデルギーセン Untitled May 2024
サブドキュメント《Re_ving-record》(2022)撮影:トナカイ
関連イベント
マーガレット・ウィブマー《Salon d’Amour》(愛のサロン)
会場:お向かいの家(石川県金沢市菊川2-14-3)
料金:1,500円(Peatix にて予約受付・当日支払)
定員:各回8名(事前予約制)
※開催日時、詳細はPeatixを参照
予約申込フォーム:https://kietsutsu02.peatix.com/
サブドキュメント公演《あの頃を思い出して眠りにつけばいい》
会場:⾓の家(石川県金沢市菊川2-14-3)
料金:1,500円(Peatix にて予約受付・当日支払)
定員:各回12名(事前予約制、当日券有)
※開催日時、詳細はPeatixを参照
予約申込フォーム:https://kietsutsu01.peatix.com/
同時期開催
すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー
2024年11月2日(土)-2025年3月16日(日)
金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=17&d=1821
下出和美《不定な雲を見る(犬亀、リス)》(2024)
清水冴《Stitch-Your-Name》2022-2023 参加者の刺繍
マーガレット-ウィブマー Salon d’Amour’ by Margret Wibmer, participative performance and artist publication. 2023-ongoing