「青柳菜摘 亡船記」@ space(十和田市現代美術館 サテライト会場)


 

「青柳菜摘 亡船記」
2022年9月17日(土)– 12月18日(日)
十和田市現代美術館 サテライト会場「space」(青森県十和田市西三番町 18-20)※会場一覧は下記に記載
https://towadaartcenter.com/
開館時間:10:00–17:00
閉館日:月(祝日の場合はその翌日)※十和田市現代美術館の休館日に準ずる
企画担当:外山有茉(十和田市現代美術館アシスタント・キュレーター)
展覧会URL:https://towadaartcenter.com/exhibitions/space_aoyagi/

 

十和田市現代美術館では、詩作や映像制作など複数のメディアを横断しながら制作活動に取り組むアーティスト、青柳菜摘の個展「亡船記」を開催している。本展会場は、同館サテライト会場「space」をはじめ、美術館内カフェ、十和田市内の花屋、温泉、バー、スナックなど、開場時間の異なる6箇所にわたり、「移動」や時間の流れを感じながら鑑賞者それぞれに固有の体験がもたらされるものとなる。

青柳菜摘(1990年東京都生まれ)は、自身を取り巻く環境と向き合いながら、見えない存在を捉えるために、映像や文章を用いて表現してきた。近年はクラウドソーシングで他者の物語やイメージを収集するなど、現代における個人の在り方と、その観察方法を模索している。主な活動に、《TWO PRIVATE ROOMS-往復朗読》(オンライン・プロジェクト、2020–)、「『新しい成長』の提起:ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」(東京藝術大学大学美術館、2021)など。そのほか、「フジミ楼蜂」(『ことばと』vol. 3、書肆侃侃房、2021)、詩集『家で待つ君のための暦物語』(2021)を発表。プラクティショナー・コレクティヴであるコ本やhonkbooksを主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動している。

 


青柳菜摘《家で待つ君のための暦物語》2021年 ビデオ・インスタレーション


青柳菜摘《彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人、 あるいは現代のプロメテウス》2019年 ビデオ・インスタレーション 撮影:和田信太郎

 

これまでにも日記や暦といった日々の記録に着目しながら、時間芸術としての映像表現に取り組んできた青柳だが、6年ぶりの個展となる本展では、航海によって発展した中国発祥の媽祖(まそ)信仰をきっかけに構想した、航海日誌をテーマに新作の映像インスタレーションを発表する。かつては遠方へ赴く唯一の手段であり、未踏の地への命を懸けた冒険でもあった船による移動は、航海記からSFに登場する宇宙船まで、数々の文学の主題にもなっている。青柳は、人々の船での移動によりその信仰が東アジア広域に拡がった航海の女神・媽祖のほか、大航海時代に長い航海での水分補給と健康維持のために発展したと言われるカクテルなど、船をめぐる古今東西の要素を織り交ぜた映像インスタレーションを6つの展示会場で1冊の絵本を編むように展開する。

 


青柳菜摘《孵化日記 2014‒2015》2016/2018年 ビデオ・インスタレーション 第10回恵比寿映像祭「インヴィジブル」 提供:東京都写真美術館 撮影:大島健一郎

 

会場一覧
※space、十和田市現代美術館 カフェを除き、いずれも通常営業中の店舗のため、事情により臨時休業あり。営業時間や展覧会についての問い合わせは、各店舗ではなく十和田市現代美術館(TEL:0176-20-1127)まで。
space
住所:青森県十和田市西三番町18-20
開場時間:10:00-17:00(月曜休業)

十和田市現代美術館 カフェ
住所:十和田市西二番町10-9
開場時間:9:00-17:00(月曜休業)

愛莉の部屋(スナック)※要ドリンク注文
住所:十和田市東二番町2-48
開場時間:20:00-24:00(会期中無休)

Cocktail bar RED DOOR(バー)※要ドリンク注文
住所:十和田市東三番町1-47
開場時間:19 :05-26:00(日、月休業)

田島生花店
住所:十和田市稲生町18-5
開場時間:9:00-18:30(日、祝は9:00-16:30/第一日曜休業)

みちのく温泉 ※ロビーでの展示のため、観覧に料金は不要
住所:十和田市東三番町21-5
開場時間:6:00-22:00(会期中無休)

 

パブリック・プログラム
アーティスト・トーク ※既に終了
登壇:青柳菜摘
2022年9月17日(土)14:00-15:00
会場:十和田市現代美術館 カフェ
無料

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