ジェスパー・ジャスト『Seminarium』@ ペロタン東京


Jesper Just, Seminarium (2021), Perrotin Tokyo. ©Jesper Just; Courtesy of the artist and Perrotin. Photo: Keizo Kioku

 

ジェスパー・ジャスト『Seminarium』
2021年12月1日(水)- 12月28日(火)
ペロタン東京
https://www.perrotin.com/
開廊時間:12:00–18:00
休館日:日、月

 

ペロタン東京では、ヴェネツィア・ビエンナーレのデンマーク館代表の経験を持ち、質の高い映像と音楽からなる謎めいた展開を特徴とする映像作品や、建築や展示空間を作品の重要な要素として捉えた映像インスタレーションで知られるジェスパー・ジャストの個展『Seminarium』を開催する。

日本初個展となる本展では、《Seminarium》と《Interpassivities》のふたつのシリーズを発表する。表題作品の《Seminarium》は、コペンハーゲン近郊にあるガメル・ホルテガードというバロック庭園に囲まれた歴史的建造物のために構想した作品で、2021年4月に開幕したガメル・ホルテガードのアートセンターの個展で発表した最新のインスタレーション。折り曲げられたり一部を切り取られたり変形したLEDスクリーンに映し出された身体が発光する光が、水栽培システムを形成するガラスの花瓶に活けられた植物の光合成をもたらし、そうして成長を促される植物が人体の潜在的な強化や治療を持つ。本展では、日本での展覧会に向けたリサーチに基づき、自然や庭園に関する日本の伝統的な概念を考慮したアレンジを加え、東京で採集された野草(ハルジオン、セイタカアワダチソウ、イヌホオズキ、ハゼラン)を展示に用いている。

 


Exhibition view of Seminarium (2021), Perrotin Tokyo. ©Jesper Just; Courtesy of the artist and Perrotin. Photo: Kei Okano

 

一方、《Interpassivities》は、アメリカン・バレエ・シアターとデンマーク王立バレエ団のダンサーたちとのコラボレーションによる現在進行形のシリーズ。本シリーズでは、ジャストはバレエの形式言語を用いて理想化された形の身体と破壊された形の身体について論じるとともに、主体性、遂行性、相互受動性といった概念を探求している。本展に出品される写真作品は、すべてのダンサーが回路のように繋がれ、電気筋肉刺激システムを通じて筋肉を収縮させる電気的インパルスとして送られる音楽によって踊らされるパフォーマンスを捉えたもの。その写真はパフォーマンス全体を捉えるのではなく、ズームによって、ジェンダーやアイデンティティを曖昧にし、異なる体型間の境界を曖昧するところまで身体を断片化し、さまざまな文脈下における身体のモノ化についての考察を促している。

ジェスパー・ジャスト(1974年コペンハーゲン生まれ)は、2003年にデンマーク王立芸術大学し、2000年前後より現在にいたるまで世界各地で作品を発表している。現在はニューヨークを拠点に活動。2013年の第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ・デンマーク館での個展のほか、近年の主な個展に『Jesper Just – Appearing / Intercourses』(ARoSオーフス美術館、オーフス、2014)、『Jesper Just』(パレ・ド・トーキョー、パリ、2015)、『Servitudes』(クンストハル・シャルロッテンブルク、コペンハーゲン、2019)、『Servitudes』(MAAT、リスボン、2019)など。2015年にはニューヨークのタイムズスクエアのマルチビジョンで映像インスタレーション《Midnight Moment》を発表している。日本国内では第2回恵比寿映像祭「歌をさがして」に《NO MAN IS AN ISLAND II》を出品している。

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