大阪府20世紀美術コレクション展 「彼我の絵鑑」@ 大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]


伊藤継郎《スケッチ・ブック》制作年不明、大阪府20世紀美術コレクション 撮影:麥生田兵吾

 

大阪府20世紀美術コレクション展
彼我の絵鑑
2021年3月30日(火)- 5月1日(土)※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止における大阪府への「緊急事態宣言」発出に伴い、4/25から臨時休館
大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]1F ROOM4
http://www.enokojima-art.jp/
開館時間:11:00-19:00
休館日:月

 

大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]では、大阪府20世紀美術コレクションの可能性をアーティストとともに探る企画の第3弾として、野原万里絵を招聘し、伊藤継郎の「スケッチ・ブック」を起点に野原自身の作品とコレクションで構成した企画展『彼我の絵鑑』を開催する。

20世紀後半に制作された作品を中心とした国内外の美術作品約7,900点におよぶ大阪府20世紀美術コレクション。その管理を行なうenocoは、年に数回の企画展のほか、府内の施設への貸出展示、大阪モノレールの駅構内、万博記念公園の「現代美術の森」での作品展示など、さまざまなかたちでコレクションを紹介している。2018年度より、アーティストの視点で構成するコレクション展を企画し、Yukawa-Nakayasuを招聘した『間合いの良さ−コレクション考察』(2019)、麥生田兵吾を招聘した『ココロヲウツス』(2020)を開催してきた。

同企画第3弾の招聘アーティストは、野原万里絵。現在、大阪を拠点に活動する野原(1987年大阪府生まれ)は、絵画を描く際の感覚的かつ曖昧な制作過程に関心を持ち、自ら制作した定規や型紙などの道具を用いた絵画作品を制作、発表している。同時に、ワークショップを日本各地で開催し、協働制作による作品も発表。他者とのコミュニケーションを通して、絵画の新たな可能性を模索している。これまでに、群馬青年ビエンナーレ2017(群馬県立近代美術館)、『絵画の現在地』(500m美術館、札幌、2018)などで作品を発表しており、昨年は高橋直宏との二人展『整頓された混乱』(gallery TOWED、東京)、個展『途中は案外美しい』(御殿山生涯学習美術センター、大阪)を開催、青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)のレジデンス・プログラムに参加している。また、2019年、2020年には、enocoの学校「こどもアート学科」のワークショップ講師を務めている。

 


野原万里絵《石の肖像 -埋没する形象 02-》2020年 撮影:小山田邦哉、写真提供:青森公立大学国際芸術センター青森


野原万里絵《Drawing -計測 02-》2020年 撮影:増田好郎

 

本企画において、野原は伊藤継郎の「スケッチ・ブック」を起点に展覧会の構成を考え、伊藤が残したドローイングノートや、さまざまな作家によるコレクションを選び、約2ヶ月間の滞在制作期間に、絵の具の微妙な重なり具合、作品の裏側や周囲から感じられる独特の空気感など、会ったことのない作家たちの制作過程やその人柄に想いを馳せながら自身の制作に取り組んだ。画家たちの手法の特徴を記した鑑定用の古画帖を意味する「絵鑑(えかがみ)」をタイトルに含む本展では、野原の作品と大阪府20世紀美術コレクションを通して、絵と共に生きる人々の思考を探っていく。

 

関連イベント
アーティストトーク
ゲスト:大槻晃実(芦屋市立美術博物館学芸員)
詳細は公式ウェブサイトやSNSを参照。

 


金光松美《妄想》1979年、大阪府20世紀美術コレクション 撮影:麥生田兵吾


津高和一《人間》1966年、大阪府20世紀美術コレクション 撮影:麥生田兵吾

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