国際舞台芸術ミーティング in 横浜2021(TPAM2021)


アイサ・ホクソン『Manila Zoo: a work-in-pandemic showing』 Photo by Tsai Yao-Cheng, courtesy of the artist, Künstlerhaus Mousonturm and Taipei Arts Festival

 

国際舞台芸術ミーティング in 横浜2021(TPAM2021)
2021年2月6日(土)- 2月14日(日)
(プレイベント期間:1月24日(日)- 2月5日(金))
https://www.tpam.or.jp/2021/
会場:KAAT神奈川芸術劇場、BankART Temporary(ヨコハマ創造都市センター)、横浜赤レンガ倉庫1号館、ほか複数会場

 

2021年2月6日より、世界有数の舞台芸術プラットフォームとして、同時代の舞台芸術に取り組む国内外のプロフェッショナルの交流の場となっている「国際舞台芸術ミーティング in 横浜2021(TPAM2021)」が開幕する。

昨年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の影響により、舞台芸術の成立条件である表現と集会の自由や、国際交流の成立条件である移動の自由に制限がかかる状況下において、TPAM2021は「いま・ここ」との遭遇とその経験の共有としてのライブ・パフォーマンスの意味を改めて考える場を目指す。各プログラムは来場参加を基本としながらも、各プログラムの一部はオンラインでの観賞、参加が可能となっている。

 


ホー・ツーニェン『Voice of Void(ワーク・イン・プログレス)』 3D sketch by Richi Owaki [YCAM]

 

主催公演プログラム「TPAMディレクション」では、近年のTPAMの常連で、あいちトリエンナーレ2019で発表した《旅館アポリア》が話題を呼んだホー・ツーニェンが、山口情報芸術センター[YCAM]とのコラボレーションで制作を進める、京都学派をテーマとしたVR作品『Voice of Void』の創作過程を発表する。また、2019年にヒューゴ・ボス・アジア・アート賞を獲得し、2017年には横浜ダンスコレクションにも参加しているアイサ・ホクソンが、ディズニーの動物キャラに着⽬し、⼈間/動物の監禁状態を「変化」の共同的希求へ転化する試みとして、ディズニーにおける「幸福」の表象をハックする連作パフォーマンス「Happyland」のワーク・イン・プログレスならぬ「ワーク・イン・パンデミック」を発表。また、DULL-COLORED POPは、福島で⽣まれ、原発技術者を⽗に持つ劇作家・演出家の⾕賢⼀が2年半に渡るリサーチを経て書き下ろし、第64回岸⽥國⼠戯曲賞を受賞した福島三部作を一挙再演。同作はKAAT神奈川芸術劇場 ⼤スタジオで上演するとともに、英語字幕つきでオンライン配信する。そのほか、ダンスの概念を拡張し続けるTPAM主催プログラム最多出演アーティスト山下残による『何だかすべて忘れられないね』(オンライン配信あり)の上演を実施する。なお、オープニング・セレモニーの⼀環としての演奏が予定されていたホセ・マサダの『Udlot-Udlot』(1975)は、オープニング・セレモニーとともに中止が発表されている。

 


DULL-COLORED POP 福島三部作 第一部『1961年:夜に昇る太陽』 Photo by Hideto Maezawa

 

国内外の専門家がネットワークを形成、拡張するための交流プログラム「TPAMエクスチェンジ」は、ほぼすべてのプログラムを来場/オンラインで参加できるように準備。また、公募プログラム「TPAMフリンジ」では、チェルフィッチュ×金氏徹平の『消しゴム山』東京公演(オンライン配信あり)や屋根裏ハイツの『パラダイス』(オンライン配信あり)、ブリギッタ・ムンテンドルフ/ モーリッツ・ローベックの『COVERED CULTURE』、高山玲子の『ここで会いましょう。』、阿目虎南の『袈裟懸けにKISS』など、困難な状況下で真摯に取り組まれるさまざまな作品が上演される。

なお、1995年に「芸術見本市/Tokyo Performing Arts Market」としてはじまり、2011年に開催地を横浜に移し、「Market」を「Meeting」に変更し、本年まで25回にわたって開催されてきたTPAMは、2021年12月より創造都市横浜との連携を強化し、地域へのコミットメントと国際的芸術交流を同時に追求する「YPAM – 横浜舞台劇術ミーティング」(仮称)として再出発することを予定している。

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