大山エンリコイサム展夜光雲 @ 神奈川県民ホールギャラリー

大山エンリコイサム《FFIGURATI #175》2017年 Artwork © Enrico Isamu Oyama,
Photo © tokyomodernstyle

大山エンリコイサム展　夜光雲
2020年12月14日（月）- 2021年1月23日（土）
神奈川県民ホールギャラリー
https://www.kanakengallery.com/
特設ウェブサイト：https://yakouun.net/
開館時間：11:00-18:00 入館は閉館30分前まで
休館日：12/17、12/24、12/28、年末年始（12/30-1/4）、1/7
企画構成：中野仁詞（キュレーター／神奈川県民ホール、KAAT神奈川芸術劇場〈神奈川芸術文化財団〉）

神奈川県民ホールギャラリーでは、地下鉄や建築物の壁など公共空間に施されたエアロゾル・ライティングを再解釈、発展した「クイックターン・ストラクチャー」と呼ぶスタイルを、幅広い表現領域で展開する大山エンリコイサムの個展『夜光雲』を開催する。

大山エンリコイサム（1983年東京都生まれ）の表現の核となる「クイックターン・ストラクチャー」は、エアロゾル・ライティングから文字や色彩を取り除き、線の動きのみを抽出し、制作の度に偶然性と身体性の呼応を幾度となく繰り返し確立した生成のスタイル。慶應義塾大学環境情報学部を経て、2009年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了した大山は、2011年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でアメリカ合衆国に渡り、2012年より現在までニューヨークを拠点に活動する。美術館やギャラリーの屋内空間での作品展示のみならず、ニューヨークや東京、名古屋などの屋外空間での壁画制作なども試みている。昨年は、ポーラ美術館のアトリウムギャラリーで個展『Kairosphere』、中村キース・ヘリング美術館で個展『VIRAL』を開催している。また、著書に『アゲインスト・リテラシー─グラフィティ文化論』（LIXIL出版、2015）、『ストリートアートの素顔─ニューヨーク・ライティング文化』（青土社、2020）、『ストリートの美術─トゥオンブリからバンクシーまで』（講談社選書メチエ、2020）があり、『美術手帖 2017年6月号』のエアロゾル・ライティング特集では企画監修を務めている。そのほか、コムデギャルソンやシュウウエムラとコラボレーションを行なうなど、多角的な活動を展開している。

左：大山エンリコイサム《FFIGURATI #266》2019年 Artwork © Enrico Isamu Oyama, Photo © Shu Nakagawa
右：《FFIGURATI #268》2019年 Artwork © Enrico Isamu Oyama, Photo © Shu Nakagawa

本展では、平面、立体、サウンド、インスタレーションなど、大山の多彩な表現を、県内最大規模５室1300㎡の広大な空間に展開する。また、会期中の1月17日には、神奈川芸術文化財団芸術総監督の一柳慧の就任20周年記念事業の一環として、ともに活動の拠点をニューヨークに置く一柳と大山によるコラボレーション記念イベント「チェンバロと笙による音幻」を上演する。

なお、神奈川県民ホールギャラリー近隣のKAAT神奈川芸術劇場では、開館10周年企画として、宮永亮がこれまでに同劇場で上演された舞台のフライヤーをインスピレーションの源泉に映像化した作品を劇場アトリウムに展示する『宮永亮展「KAA10」』を開催中。また、同劇場中スタジオでは、1月14日から31日にわたり、『冨安由真展｜漂泊する幻影』を開催。「不可視なもの・確かでない存在」をテーマに、冨安が新作インスタレーションを発表する。

関連イベント
Toshi伝説　一柳慧芸術総監督就任20周年記念
チェンバロと笙による音幻
2021年1月17日（日）13:00、16:00（各40分程度を予定）
一柳慧：笙とチェンバロのための『ミラージュ』、他
チェンバロ：流尾真衣／笙：三浦礼美
観覧無料（※要展覧会入場券）

『大山エンリコイサム展　夜光雲』会期中の併催展覧会
KAAT神奈川芸術劇場開館10周年企画
『宮永亮展「KAA10」』
2020年11月21日（土）- 2021年1月31日（日）
KAAT神奈川芸術劇場アトリウム他、KAAT館内
https://www.kaat.jp/d/KAA10

『冨安由真展｜漂泊する幻影』
2021年1月14日（木）- 1月31日（日）
KAAT神奈川芸術劇場中スタジオ
https://kaat-seasons.com/exhibition2020/